ネオンの眩い夜の街を
履き潰したスニーカーを履いて歩き回る
荒んだ心も、擦れた精神も、
もう、真っ当な頃には戻れそうにない。
汚い恋情に、愛を囁いて
財布の紐が擦り切れていく
虚構に縋って、嘘を受け取る
やめたい、なんて言えなくて
また会えるといいねって法螺を吹く
吐いた言葉を裏返しても、
お互いに虚無しかないと知っている
わたしは綺麗に囀ることはできない。
けれど、不器用に並べた言葉を送ることはできる。
わたしは青い空を飛ぶことはできない。
けれど、あなたと同じ地面を歩くことはできる。
わたしは雨が降るのを察知することはできない。
けれど、あなたの隣で雨宿りすることはできる。
できないことも多いけど、
わたしは今のままが幸せ
夕日が傾いてきて、なんとなく
今日はもうすぐ解散かな、って。
人気のない道端で
少しだけ、もう少しだけ
話したいことを話すだけの時間
わかったり、わかりあえなかったり。
共感したり、驚嘆したり。
激情はないけれど、決して無情ではない
温水のような心地よさ
さようなら、では少し淋しげがあるから
またねって、会える保証もないのにね。
また会いたいから言ってしまうの。
むかし、
雲に色をつけてしまおう、って思ったことがある。
白や黒じゃ物足りないから、
青色とか、赤色とかに染めてしまおう、なんて。
大きくなって、
曙や黄昏を見るようになった。
空を見上げて、眩しさに目を細めて、
夕焼けに感傷的になって、
東雲に嫌気が差すようになった。
雲の行方を追うこともなくなった。
雲の形を夢想することも減った。
空を見る余裕もなくなった。
それでも、ふとした瞬間に見上げた空は、
快晴に限らずとも、少し特別に感じる。
くるり、ひらり
スカートが翻って、
首を傾げては品を変えていく
耳には煌めく宝石を
唇は艶めく桃色を
胸には秘めた恋心
鏡にうつるあなたは、
世界でいちばんかわいい