「逆さま」
私はよく逆さまになって考える。
別に倒立しながら考えるわけじゃない。
世界を色んな角度や視点から見ているのだ。
上から見たら、その出来事が正しくても、
下から見たら、実は正しくないかもしれない。
じゃあ、右や左、それ以外の様々な角度から見たら…
逆さまになって色んな角度のことを考える。
いまの視点だけで果たして正確に物事を理解してるか?
そして、正確で間違いのない正論だとしても、
決して振りかざしたりしないこと。
そんなふうに私は生きていきたいと願う。
「眠れないほど」
私は本が大好きな子供だった。
いわゆる本の虫というやつだ。
好みの本が見つかると時間を忘れて夢中になり、
飽きずに同じ本を何度も何度も繰り返し読み込んだ。
新しい物語を読み始めると、途中で止められない質で、
途中で止められると寝付けないほどだった。
主人公はこんなとき、どんなことを言うんだろう?
ラストのその先はどんなかな?
物語のその先にワクワクして、眠れないほど、
本の中の人物、世界、その全てに魅了された。
いつか、私も書きたい。
眠れないほど面白い物語を。
そして最後まで読んで、何かを感じてもらえたら…
願わくば、幸せな気持ちになってもらえたら、なんて。
まだまだ遠い夢の話。
「夢と現実」
思ひつつ寝ればや人の見えつらむ
夢と知りせば 覚めざらましを
高校の授業で習ったこの歌が忘れられない。
当時、後半部分で言われている
「夢と知っていたら目を覚まさなかったのに。」
という、この言葉に私は思いを馳せた。
今も昔も、人は眠れば夢を見るのだと。
目が覚め、それが夢の出来事だったとき。
人は夢に焦がれるもの。
夢という眩しいものに魅せられて、
現実という厳しい世界に寂しさを覚える。
時代が変わり、世界が変化していっても、
人が漠然と抱く寂しさには変わりがないのだと。
そんなことを思いながら、その後の授業中は
頭の中でずっとこの歌を口ずさんでいた。
「さよならは言わないで」
言いたいことはありすぎた。
でも、言い残せる時間は残り少ない。
ごめんね、先に逝く僕を許してほしい。
僕のことを愛してくれて、ありがとう。
君の心に生き続けたいから、さよならは言わない。
「…ずっとずっと、大好きだよ」
「光と闇の狭間で」
君が幸せでいてくれたらと願う僕と、
君もここまで堕ちてくればいいのにと乞う僕がいる。
この天秤は今はどっちにも振り切れていない。
振り切ってしまえば楽かもしれないけど、
振り切れないままでいたい気もする。
だって、この狭間にいる限り君を愛し続けられる。