佐倉光潤

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「夢と現実」



  思ひつつ寝ればや人の見えつらむ

         夢と知りせば 覚めざらましを



高校の授業で習ったこの歌が忘れられない。

当時、後半部分で言われている

「夢と知っていたら目を覚まさなかったのに。」

という、この言葉に私は思いを馳せた。


今も昔も、人は眠れば夢を見るのだと。

目が覚め、それが夢の出来事だったとき。

人は夢に焦がれるもの。

夢という眩しいものに魅せられて、

現実という厳しい世界に寂しさを覚える。

時代が変わり、世界が変化していっても、

人が漠然と抱く寂しさには変わりがないのだと。

そんなことを思いながら、その後の授業中は

頭の中でずっとこの歌を口ずさんでいた。

12/5/2023, 6:53:24 AM