どう考えても特別な夜でした。
『特別』と言っても、私の日常の端くれにおけるつまずきのような物でしたが。
その夜、兄は『自殺しようとして辞めた事がある』と突然言いつけるように私に言いました。私は言うまでもなくぼーっとしていて、
『へぇ。』と、一言だけ置くように呟きました。
家の3回のベランダの縁にたってみたそうで、なんだかんだでやめたそう。
普段なら私の理解の外側にいる意味のわからない人間としか思えずにいた兄という存在に対してすこし、同情したことが、どう考えても特別だったのです。
私も、自分の腹に包丁を突き刺そうとしたことがあります。
できませんでした。
情けないのでしょうか。そんなことも無いのでしょうか。誰かが私の心の冷たいのを取り除いて寄り添うように、慰めてくれるのでしょうか。誰かが自分で出来ないならと、代わりにやってくれるのでしょうか。
そんなわけないと、私が怖く私を睨みつけるのです。
ならどうすれば良かったのでしょうか。
お題「特別な夜」
昔から、家族、友人、先生、と、周囲の人間の事が全く理解できませんでした。
上手く、周りの気持ちとか考えとかを取り込むことが出来ませんでしたので、それはそれは生きづらい淡白な毎日を送ってきました。
言葉の裏が全て透けて見える。しかし人間の怖いところというのは、見えるもの以上に、一人一人の個体の中に海の底のように黒く深い感情の渦を巻かせ、それをあえて主張せず、嘘をつく。更にはその行為を当然当たり前に正義だと言わんばかりの雰囲気で、この世の大半の人間がやってのけているというところです。
みんな本音は、海にゴミを投げ海の底まで沈めるように、こうも軽々と嘘をつくのかと不思議でなりませんでした。
このハテナが解消されることは今の今まで1度もなく、
結局私は薄っぺらい人間になってしまったと、少し悲しくもあり、どうでもよくもあります。
お題『海の底』
今日も、時間が朝を連れてきた
お花みたいなプリーツのスカート、短く折るの。
蝶みたいな大きいリボンを着ける、第1ボタンは外してね。
友達とお揃いのぬいぐるみの着いた勉強なんてする気のないサイズの小さいスクールバックに、香水とくし、リップ、筆箱も。
学校、私は馬鹿なふりをする。
冷静になんてなってはいけない。
全ては、頭が良くて 長い髪の綺麗なあの子のため。
お花みたいに、蝶みたいに可愛い姿を見せてるの。
見てくれてるよね?
あの子、全然自分の話をしてくれないの。
だから私はあの子の好みを知らなくて、女の子みんな可愛いと思うようなお花と蝶みたいになろうって。
でも全然見てくれない。なんでなかなぁ。
花も蝶も、いずれは死んで無くなるのが分かっているから今の美しさを強調するのよね。
「なら私も 、 」
今日も、時間が朝を連れてきた。
私の髪は長いからとかすのが面倒だ。
そうだ、今日こそは大きいリボンをつけたあの子にちゃんとは笑いかけてあげられるように頑張ろう。
いつも勇気がなくて目も合わせられないし。
そう意気込みを抱えて 教室に入る。
でもその子の机の上には大量の花が置かれていた。
お題 「蝶よ花よ」
電話しながら夜更かしして、昨日へのさよならを少し遅くして、 今日の余韻に浸ってゲームしてるあの時間が好きです。
今日何があったとしても友達の声を聞くとすんなり暖かくなるあの感じが好きです。
起きても、心の蟠りを消化できず心を病んだ弱い私に迎えたい今日なんて来ません。だから昨日のことばかりを考えて私自身何も成長しないのです。
明日の出会いに期待できる人というのは強い、努力家でしょうか。 私のような人間は明日が来ることが憂鬱で仕方がない。世界はいつもグレーで何も面白くないのです。
結局は、憂鬱な明日を時間に任せ昨日にした途端、私は時間に容認されたと勘違いして居心地の良さを覚えているだけなのです。 時間に頼り現実から目を逸らし事を忘れようとしている弱い根幹であるだけです。
お題「昨日へのさよなら 明日との出会い」
あ、死んだ
お母さんが死んだ
お母さんは毒親。
突然の分かれ。
私は嬉しくて、開放された快感に浸る日々。人生ってこんなに鮮やかだったんだって、気づいちゃったの。
そういえば、死んだ理由を聞かせてもらってない。
なんで死んだのかなんて聞けるムードじゃなく、私だけがせいせいしていたようにも見えたので、黙っていた。
なんで死んだんだろ。
思い出せない。ずっと、何か大事なことを忘れているきがしている。
ぐちゃぐちゃ 暴力 嫌味 精神 威圧
ぐちゃぐちゃ ドンドン ガシャン
ぁあ、思い出した。あの日?
お母さんの暴力に嫌気がさして耐えきれなくなった夜か。
私がお母さんを刺したんだった。 忘れてたなぁ、
感想? 血が生ぬるくて気持ち悪かった、くらいかな、
ただただ、「あ、死んだ」 しか思ってなかった。
突然の別れは突然の変化をもたらす
変化のチャンスは自分で掴まなきゃね!
お題 「突然の別れ」