今日も、時間が朝を連れてきた
お花みたいなプリーツのスカート、短く折るの。
蝶みたいな大きいリボンを着ける、第1ボタンは外してね。
友達とお揃いのぬいぐるみの着いた勉強なんてする気のないサイズの小さいスクールバックに、香水とくし、リップ、筆箱も。
学校、私は馬鹿なふりをする。
冷静になんてなってはいけない。
全ては、頭が良くて 長い髪の綺麗なあの子のため。
お花みたいに、蝶みたいに可愛い姿を見せてるの。
見てくれてるよね?
あの子、全然自分の話をしてくれないの。
だから私はあの子の好みを知らなくて、女の子みんな可愛いと思うようなお花と蝶みたいになろうって。
でも全然見てくれない。なんでなかなぁ。
花も蝶も、いずれは死んで無くなるのが分かっているから今の美しさを強調するのよね。
「なら私も 、 」
今日も、時間が朝を連れてきた。
私の髪は長いからとかすのが面倒だ。
そうだ、今日こそは大きいリボンをつけたあの子にちゃんとは笑いかけてあげられるように頑張ろう。
いつも勇気がなくて目も合わせられないし。
そう意気込みを抱えて 教室に入る。
でもその子の机の上には大量の花が置かれていた。
お題 「蝶よ花よ」
8/8/2023, 1:57:41 PM