どこにも書けないこと
本当は大好きな友達でも、嫌いになる時がある。
私がこう小説を書いている趣味のことは、どんなに親しい人でも絶対に言えない。
人に会いたくないときもあるし、誰にも言えないけれど、本当は好きになった人もいる。
誰にも言えない秘密があってもいいよね。その方が楽なことも沢山あるから。無理に言わなくていい。
友達も趣味も、本当は全部が好きだと言いたい。
時計の針
苦しくても辛くても、進んでいく時計にイライラすることがある。時間は、止まってはくれないから。
1日というその時間に価値があったのか、そんなことは考えなくていい。
ただ、一瞬一瞬の今を、全力で生きたらいい。やりたいように、僕の人生は僕で進んでいきたい。
I LOVE…
私は、好きなものを好きと言うのが苦手。
どう思われるのか怖いし、もしかしたら気持ち悪いと思う人がいるかもしれない。人を好きと言うなんて、もっての他だった。
でも、どうしようもないくらいに、あなたのことが忘れられなかった。気付けば、あなたを考えてる。そんな想いを、私は胸に抱いた。
付き合いたいとも、気持ちを伝えたいとも思わない。ただ、ひっそり想うのがいい。
だから、あなたの背に向けて言った。届かなくてよかったから。言いたかった、だけだった。
「愛して、る…」
I LOVE…その続きは、言えないまま。
逆光
写真なんて大っ嫌いだったのに、彼は強引に私を撮ってきやがった。自分の顔は好きじゃない。映りがいつだって悪い。嫌な気分になるだけ。
それでも、彼は私を撮った。毎回変わる表情を、永遠に残すように撮った。気まずい時も辛くて悲しい時も、写真を撮る。
最後の写真は、逆光だった。
太陽が私の後ろに照らされて、顔が暗くなっている。だけど、暗さを吹き飛ばすかのような、明るさを持つ笑顔だった。私史上、いちばん、いい。
最後は、逆光の写真だった。それでよかったよ。
その瞬間に輝いて笑う私は、ずっと思い出にあるから。
閉ざされた日記
私は、言葉で何かを書くことが好きだった。その日の内容、その時思ったこと、全部の時間を言葉にして、日記を毎日欠かさず書きまくった時がある。
時間のことを書くと、1日だけでこんなにも長く書けて、色々出来事があるんだ、と気付かされた。
恋愛のこと、親友のこと、誰にも話せない心の中のことを、日記は、言葉にして心の中にいるもうひとりの私に、話しかけてくれる。
今のなっては、思い出すと苦笑してしまう。そんな苦い思い出が積もりに積もって地味に黒歴史に塗り替えられてしまうのが、日記という時の思い出。
閉ざされた日記を、今でも開けないままだけど、この今この瞬間を苦笑い出来る未来を私は願って、その時に向かって頑張ろうと誓った。