梨帆あめ

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6/19/2024, 10:13:44 AM

相合傘


どうか、止まないで。

そう、切に願っている。こんな風に思えたのは、世界できっと、あなただけなんだよね。

雨の音にかき消される心臓と音。

重力に沿って雨が降り、傘には跳ねる雨の音。

あなたと聞くこの雨の音が、心地よくて、大好き。

ああ、止んでしまう。ぽつりぽつりと、消えていく雨の音すらも、尊くなる。

「雨、止んでほしくないね」

ああ、と曖昧に頷く私。雨の音、あなたも好きなの?あなたは、私と同じことを思っているの?どうして、あなたを守る傘に、私をも入れてくれた?

隣にいるのに、教えてほしいことばっか。

雨上がりの太陽って、どうして、こんなにも強くて、空は青いんだろう。日焼け止めも塗ってないのに、日焼けしてしまう。

でもそんなこと、どうだって、よかった…

5/2/2024, 11:16:45 AM

優しくしないで。


私はもう、あなたが嫌いだ。

そんな風に、私に笑いかけるのはやめてよ。

まるで太陽みたいに尊いあなたの笑顔は、皆を幸せにする。皆に好かれているんだから、別に、私に笑いかけなくてもいいでしょう?

優しくしないで。やめてよ。

些細な優しさが、私を傷つけていく。「大丈夫?」って言われた雨の日も、落とした消ゴムを取ってくれた時も、胸が痛くてたまらなかったんだよ。

嫌いになれない。それが、いちばん苦しい。

「優しくしないでよ…だいっきらい…」

今日も私は、嘘をつく。

4/11/2024, 1:31:39 PM

言葉にできない


世界は、言葉にできないもので溢れている。言葉にできるもんじゃないのに、人は言葉にしたがる。

人のことも、散る桜の美しさも、朝陽が昇る尊さも、人が人を想う気持ちも、全部全部―

言葉でなんか、表せてたまるか。

言葉にできなくていい。言葉も笑顔も世界の全ても全部忘れて、私は、あなたに会いに行くよ。

ああ、なんだろう。言葉にできないなぁ…

3/30/2024, 11:22:58 AM

何気ないふり


あなたに、ずっと嘘ついてた。

笑顔を繕って、自分じゃない誰かになろうとした。

あなたが好きになった人は、私じゃないんだよ。それは、本当の私じゃないから。そう思うと、心がとてもとても、辛くて怖くて仕方なかった。

だから、何気ないふりをした。そしたら私の感情や心はどんどん失くなっていった。

ごめんなさい、ごめんなさい…

何回でも謝るから。こう生きることしか、私にはできなくて、ごめんなさい。あなたを知れば知るほど好きになっていく自分が、嫌いになってく。

「んなの気にしてんの?そのままでいいんだよ」

「嘘でも、ほんとの感情じゃなくてもいいの?私は、全部作り物なんだよ?」

「いいよ。君が本当の自分が出せたと思えたときは、その時は、もっと、俺は君のことが好きになってるだろうな。ふふ、楽しみだなぁ」

最初から、嘘でした。

私は、これが、本当の自分でした。

気づいた私は、何気ないふりをした。

3/29/2024, 10:56:02 AM

ハッピーエンド


後先考えられないとき、不安なとき、辛いとき、孤独になるとき、怖いとき、緊張するとき。

今日も僕らは、唱えている。

「きっと絶対ハッピーエンド」

最後のあなたは、笑っているよ。

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