#声が枯れるまで
君に「もう要らない」と言われた僕は哀しくて、辛くて、捨てられたくなくて君に縋った。
だけど、君は鬱陶しそうに僕を睨むだけで、その言葉を撤回してくれはしなかったね。
だから決めたよ。
僕は君を恨んだまま死んでやるって。
君はきっとすぐにでも僕のことを忘れるだろうけど、僕は恨んで恨んで死んでやる。
だって、保健所に連れていかれれば僕は誰かに貰われるか、殺処分になるんだから、ね?
#秋晴れ
#すれ違い
秋のとても天気がいい日のことだった。
君と話していたらいきなり、意味わかんない!そう言って君は怒って僕の前から姿を消してしまった。
僕は訳が分からなくて、待って!と引き止めたのに君は行ってしまったよね。
あの後、何がダメだったのか考えたんだ。
きっと、あの言葉がダメだったんだよね。ごめん。
でも僕は君が受け取った意味で言ったわけじゃないんだよ。
それだけは知っていて欲しい。
#忘れたくても忘れられない
大好きだったよ。
忘れたくても忘れられない、耳の奥にこびりついている君のその言葉は。
僕自身が一生聞けなくした。
あぁ、もっと早く言ってくれてれば。
そうは思っても後の祭り。
僕も愛してた。
君を殺したその足で、僕は警察に自首することにした。
#やわらかな光
彼女が僕を見る時、いつもその瞳には仕方ないなぁ、とでもいうような光が宿っている。
暖かく、僕を導いてくれる光。
その光が僕は嫌いだった。
本当はありがたいはずなのに、何故か僕は君に見下されているような気になって、どうしても許せなかった。
ごめん、ごめんね。
僕はその言葉を飲み込んで、君の首に手を掛けた。
そんな時にも瞳にはやわらかな光を宿していた君は、どうして、僕を受け入れるのか、今でも分からないまま。
#鋭い眼差し
君はキッと鋭い眼差しで僕を睨みつけた。
こんなことして良いと思っているの?
どうにかこうにか、激情を表に出さないように怒りを押し殺した声で君は僕に問う。
良いとなんか思ってない。
だけど、君に僕の傍から離れないで貰うにはこうするしかなくて…。
普段から老若男女問わず、人気者の彼女。
僕が、君の彼氏の僕が、君に見て欲しいと思うのは、イケナイこと?