神埜

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10/15/2023, 7:40:34 AM

#高く高く

高く高く飛んでいけ。

僕の腕が届かないところまで、飛んでいけ。

そうでもしなければきっと、僕は君を手放せないから。

お願い、僕から逃げて……。

(逃げないで、逃げて、逃げないで。)

本当は逃げないでほしいけど、僕は君の自由な姿に惹かれたから、僕なんかに捕まらないで。



10/14/2023, 12:23:34 AM

#子供のように

僕の妻は笑う時子供のようにきゃらきゃらと笑う。

体調が良くない時はその声が頭に響くこともあって勘弁してくれよ、と思うこともあるけど、それでも彼女のことが好きだから、僕は彼女の笑う姿を最後まで見ていたいんだ。

ねぇ、わらって

彼の、夫の最期の言葉は私に笑って欲しいというものだった。

だから、涙が目に溜まってたけど、それを拭って笑いかけた。

彼はありがとうと言ってそのまま目を閉じて二度と目を開けることは無かった。

10/12/2023, 3:08:15 PM

#放課後

真っ赤な夕日が教室に差し込んでくる。

真っ赤に燃える紅葉の隙間から光が照らし、教室の床一面には紅葉が敷き詰められた。

紅葉を踏む音も何も無いけれど、秋がきたことを実感させてくれる紅葉と夕日は僕の数少ないお気に入り。

10/11/2023, 10:06:23 PM

#カーテン

ふわりとカーテンが揺れた。

窓の外には君が居た。

「やっと帰ってきてくれたんだね。おかえり」
ミーコ

10/10/2023, 6:43:40 PM

#涙の理由

外は大雨、帰れなくなった僕は教室へ足を運んだ。
雨足が弱まるまで教室で時間を潰そうと思ってのことだった。

だけど、教室には先客が居た。

窓の外に見える大雨のように涙を流す君が。

一瞬、教室に入るのは躊躇われたけど、君の泣き顔を見続けるなんてことはしたくなくて、僕は教室へ1歩足を踏み入れた。

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