川柳えむ

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12/7/2025, 5:45:49 AM

 今夜も全ての灯りを点けたまま眠る。
 暗闇は怖いから。
 全てを飲み込んでいきそうで、自分もそれに飲み込まれてしまわないように、灯りを点けておく。
 自分の命の灯火まで消えてしまわないように。


『消えない灯り』

12/5/2025, 10:21:04 PM

 朝の空気は澄んでいて、冷たい。まだ明かりの灯っていないイルミネーションは静かに眠っているようだった。
 明かりはなくとも、彼女には街がキラキラと輝いて見えていた。
「絶好の謎解き日和!」
「あー本当におまえはそういうのが好きだね」
 今日は街歩きの謎解きをしようと、朝から表へ飛び出した。
 テンションの高い彼女とは裏腹に、彼は少し眠そうだ。
 それでも、彼にとっても街は輝いて見えた。
 今日は彼女と謎解きデート。その後はサプライズを用意している。
 用意された小さな箱。中身は何でしょう?
 果たして、彼女はこの謎が解けるかな。
 彼女の驚く顔を想像して、思わず顔が綻んだ。


『きらめく街並み』

12/5/2025, 1:42:52 AM

 登校して下駄箱を開けると、手紙が入っていた。
 こ、これは! ラブレターに違いない!
 自分の席に着いて、こっそり開封してみる。
 かわいらしい便箋に、かわいらしい文字で……

『レまぅカゝ⊇″ぉ<∪″ょぅτ″маっτма£』

 ……ん?
 どうやら、期待のものではなかったようだ。
 なんだこれは? 暗号?
 れ、ま、う、か……繰り返し記号だから、また、か? じゃあ次は?
 わ、わからない……。
 俺はいつから秘密組織のエージェントになったのだろうか。でも、必ずこの謎を解いてやる。

 当時の俺はギャル文字の存在など知らず、何かとんでもないことに巻き込まれたんだとワクワクドキドキしていた。
 今は勿体ないことをしたかもしれないと思う。


『秘密の手紙』

12/3/2025, 10:25:26 PM

 冬の足音が聴こえた。
 振り返ると、しんと静まり返った街。そこに、突然冷たくなった空気だけが漂っている。
 北風が頬を撫でる。
 体が芯から冷えていく。風邪を引きそうだなと、鼻をすすった。


『冬の足音』

12/2/2025, 11:43:46 PM

 最近彼女が冷たい気がする。たぶん冬のせいだろう。
 今日はそんな彼女の誕生日。
 これを機にもっとアツアツの仲になるぞ!
 そう意気込んで、彼女の喜ぶ贈り物を考える。
 冷たいとは言っても、彼女は俺のことが大好きだってわかっている。だから、喜ぶものはこれしかない。

 彼女が帰ってきた。
 プレゼントボックスに見立てた部屋の、豪華に飾り付けた扉がゆっくり開かれる。
「ハッピーバースデー! プレゼントの中身は俺だよ!」
 自分自身もリボンで飾り立てた。最高のプレゼントだろう?
 そうして、彼女に抱き着こうとした。
「テメーの中身ぶちまけてやろうか」
 ――そう言われ、プレゼントの中身は捨てられた。


『贈り物の中身』

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