「もしも世界が終わるなら」
「え?」
また変なこと言ってる。そう思った。
こいつとの付き合いは長い。子供の頃がずっとこんな感じである。
「もしも明日世界が終わるなら、どうする?」
再度質問が繰り返される。
公園にある高台から街を見下ろしていたら、突然そんなことを言い出したのだ。
そいつの隣に座り、答える。
「変わらないよ」
「変わらない?」
「そう。いつも通り、おまえの隣に座って話を聞いてるよ」
そう言うと、一瞬驚いたような顔をして、それから満足そうに微笑んだ。
「そうか。死ぬまでずっと一緒か」
「そうだよ。世界が終わるまでずっと」
街が夕日に飲み込まれていく。赤く染まった光景は、まるで世界の終わりのようだった。
『もしも世界が終わるなら』
靴紐が解けるように、僕らの手は離れていった。
追い掛けようと走り出したところを、解けた靴紐が足に絡まって、転んでしまった。
転んで擦り剥いてできた傷は、徐々に痛みを増していく。
いつかは消える痛みだとしても、この感情は、傷跡としてずっと残るのだろう。
『靴紐』
とにかく日々が忙しい。趣味に時間を費やしている場合じゃないのに。
だから、お題なんてやっていられない。
お題の物語(答え)は、まだ、闇の中。
『答えは、まだ』
傷付いた心を癒すため、私は旅に出ることを決意した。
とりあえず今は大阪・関西万博が話題の為、大阪まで行くことにした。パビリオンの予約は取れなかったが、なかなかに楽しかった。
せっかく大阪まで来たので、USJにも行った。遊んだ。一人でも十分楽しかった。
ついでに周辺の県にも行くことにした。兵庫、京都、奈良、和歌山……。各地の観光地を巡り、とても楽しかった。
満足した。本当に。
やっぱり旅って最高だ。……なんで旅に出たんだっけ?
『センチメンタル・ジャーニー』
見上げた空に浮かぶ月があまりに綺麗で、たまたま一緒にいた子に「見てみて! 月がめちゃめちゃ綺麗!」って言ったら、「ありがとう。私も好き」って言われた。
どういうことかと思ったら、夏目漱石が「I love you」を「月が綺麗ですね」って訳したみたいな本当かどうかよくわからない話があるらしくて。
じゃあどうやって月の美しさを他の人に伝えたらいいんですか。本当にその子とはたまたま帰り道で一緒になっただけなんです。
どうしたらいいですか? 助けてください。
『君と見上げる月…🌙』