川柳えむ

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 最近彼女が冷たい気がする。たぶん冬のせいだろう。
 今日はそんな彼女の誕生日。
 これを機にもっとアツアツの仲になるぞ!
 そう意気込んで、彼女の喜ぶ贈り物を考える。
 冷たいとは言っても、彼女は俺のことが大好きだってわかっている。だから、喜ぶものはこれしかない。

 彼女が帰ってきた。
 プレゼントボックスに見立てた部屋の、豪華に飾り付けた扉がゆっくり開かれる。
「ハッピーバースデー! プレゼントの中身は俺だよ!」
 自分自身もリボンで飾り立てた。最高のプレゼントだろう?
 そうして、彼女に抱き着こうとした。
「テメーの中身ぶちまけてやろうか」
 ――そう言われ、プレゼントの中身は捨てられた。


『贈り物の中身』

12/2/2025, 11:43:46 PM