力で支配して、何も聞こえないふりをして傷付けた。泣き声も無視して、ただただ自分勝手にぶつけた。君にとって痛いだけの感情。
一方通行で成り立ってなんかいない。ただ自分一人の感情を、きっと『愛』なんて言わないだろう。この感情はただの『エゴ』。君を傷付けるだけだとわかっている。
そうだとしても、止められない感情。本当は、止めないといけない感情。
一番泣きたいのは君なのに、気付かれないように自分も泣く。意味のない謝罪の言葉を小さく呟く。それすら『エゴ』だというのに。
本当は、ただ寂しかっただけなんだと。そう言ったら、受け止めてもらえただろうか?
そんなことを考えたって、どうしようもない。もう今更、『愛』などと言う資格もない。
あぁ、これが本当に『愛』だったらよかったのに。
『寂しくて』
この美しい透明な羽根を気に入っていた。
今日もこの羽根を見せびらかすように舞う。
「やだ! 気持ち悪い!」
人間に叩き落とされた。
人間は、私達のことが嫌いみたい。
こんなに美しいのに。どうしても分かり合えないんだ。
『透明な羽根』
これ以上は、入ってこないでください。
今、私は大いに傷付いているんです。落ち込んでいるんです。
この境界線を越えないで。これ以上、傷付きたくないから。
それなのに、あなたは入ってくる。この境界線を越えて。
それが不快で、それなのに嬉しい。
こんなことして、許してあげるのは、あなただけだから。
「ところで、どうして落ち込んでるの?」
「投稿アプリに、毎日投稿してるのに、前回投稿忘れちゃったから」
「自分のせいやないかい」
『心の境界線』
灯りが暗闇を煌々と照らす。
この光は、僕らの希望だ。僕ら明るく照らす、一筋の光だ。だって、こんなにも心まで明るくしてくれる。
「うおおおおお! 騒ぐぞー!」
「おぉー!」
雄叫びを上げる。
楽し過ぎる。みんなで囲うキャンプファイヤー。
『灯火を囲んで』
冬だ。冬がやって来た。
冬を迎える支度をする。ゆっくり眠る為、食べ物を部屋にたくさん集めた。
「いつまでこもってるの! いい加減部屋を出て働きなさい!」
あーあー何も聞こえない。
さて、冬眠を始めよう。春までおやすみなさい。
『冬支度』
それはまるでスローモーションのように。
頭上から鉄板が落ちてくる。その後どうなるか理解した瞬間、声にならない声で叫んだ。
「時間よ止まってくれ」
時を止めて。そしたら、僕はこの手を伸ばして――。
しかしその願いは届かず、目の前の君の姿が見えなくなった。
叫びながら再び願った。
「時間よ巻き戻ってくれ」
そしたら、今度こそ君を救うのに。
――目の前を、君が楽しそうに歩いている。
何が起きたかわからない。
さっきのは白昼夢だったのか。でも、なんでもいい。君がここにいる。
君に声を掛けようとした瞬間、再び鉄板が空から降ってきた。
駄目だ。また。間に合わない。
時間を止めたい。その願いは叶わない。
しかし――。
また、君が目の前を歩いている。
どうやら、僕の『時間を巻き戻したい』という願いだけが叶っている。
しかし、あまりにも巻き戻る時間が短かった。
どう足掻いても、君の姿は消えてしまう。
これを繰り返すくらいなら、そんなこと願わなければ良かった。こんなに何度も君を苦しめることになるなんて。
前を行く君が笑う。
この瞬間だけを切り取って、時間が止まれば良かったのに。
『時を止めて』