夏は待ってくれない
夏に喰らいついていけ
今を生きろ
この一瞬を生きろ
今を楽しめ
今をやり尽くせ
今を楽しみ倒せ
今、この一瞬を…
「今」一番欲しいもの 完
道端にボールペンが落ちていた。
実はこの世界を支配しているのはボールペンで、
我々人類はその下僕なのではないだろうか。
ボールペンが地球の支配者で、
我々は支配される側なのではないだろうか。
ボールペンが人類で、
我々こそボールペンなのではないだろうか。
ボールペンを使うのは人類だと思っていたが、
実は人類はボールペンに使われているのではないだろうか。
この世界が仮想現実でないことを証明できないというが、
ボールペンが人類ではないという証明もできないのではないだろうか。
何も確たる証拠がない。
人類の文明たるや、なんたる無力。
そんなことを考え歩いていたら電柱に漫画みたいにぶつかった。
そうか、電柱が人類で、我々が電柱だったかもしれないのだ。
視線の先には 完
晴天の、蒼天の、もくもくとした雲の空を見上げて、
ふと夏の終わりを感じた。
まだ梅雨も終わっていないのに?
これから夏本番だと云うのに?
浴衣着て恋人と花火大会行ったり(無理だよ…彼氏いないし私)、
海行ったり、
プール行ってウォータースライダーしたり、
縁側でスイカ食べながら種とばしたり、
畳の部屋で古い扇風機のぬるい風浴びながら昼寝したり、
そうめん食べたり、
カブトムシ探したり、
お祭り行って夜店でやきそば食べたり、いか焼き食べたり、みかんの水あめ食べたり、わたあめ食べたり、チョコバナナ食べたり、当たらないくじ引きみたいのやったり、射的に金魚すくいしたり、
遠出したり、
旅行行ったり、
喫茶店で涼んだり、
かき氷も食べたり、
夏休みの宿題ほったらかして遊びまくったり、
してないのに?
なぜだか夏の終わりを感じたのだ。
過去にそうして終わってしまった夏がきっとあったのだ。
夏は長いようであっという間だ。
だから、いま、このときを刻んでやるんだ。
やりたいこと全部やってやるんだ。
楽しみ尽くして楽しみ倒してやるんだ。
そんなことを思いながらふとYouTubeをつけっぱなししていたテレビに目をやると、乃木坂46の『好きというのはロックだぜ』が流れていた。
手帳に予定をビッシリ書いた女の子がその余白に「全部やる!!」と書いていた。
「ほら、かっきーだってそう言ってる」
そうつぶやきながら、私も手帳に予定を書き連ねようと手帳を探した。
『やっと気づいてくれたんだね』
『過去を悔いる思いがあるからこそ』
『人はいまを生きようと思えるのさ』
と、近未来ロボットアニメイションの銀髪の彼に似た声が聞こえた気がした。
すべては私次第なんだと思った。
いい夏にしたいと思った。
空を見上げて心に浮かんだこと 完
終わりを終わりにしよう
終わるということを終わりにしよう
終わりなんてない
さよならにさよなら的な
世界は最初から何もはじまっていないし、
だから、終わりもない
すべてはいまここにあるだけなんだ
終わりにしよう 完