この列車は、どこへ向かっているのだろうか?
私は、なぜこの列車に?
古びた屋敷のような木の匂い。
薄暗い車内。飛び回る蛾のような蟲。
まばらに座る人達。
年齢層は、バラバラで
顔は暗くてよく見えない。
行き先の名前は表示されていない。
代わりに終点という文字だけが配列されている。
そのせいか列車は、一切止まらずに走り続ける。
頭が痛い。
お腹が空いた。
家族は、どこに居るの?
友達は?
みんな、どこ?
私は、なんでここに?
思い出せ。
頭はどんどん痛くなる。
不意に列車の扉が開く。
奇妙にもそこには誰もいない。
気付くと、周りにいたはずの人達も居なくなって
いる。
すると、車内にアナウンスが流れる。
お客様。お忘れ物御座いませんように
お降りください。
目が覚めた。
ここは、病室?
あ、そうか私…
あの時、急いでいてそれで車に…
タイトル:列車に乗って
僕は、キョウチクトウという木が好きだ。
これがどんな木かみんなは知らない。
今日は、彼らを誘ってバーベキューをすることにした。
もちろん。使う木はキョウチクトウ。
僕も彼らも喜んでその木を使う。
あぁ、枯葉も使おう。
木の枝も全部。
たくさん煙を吸ってそれで…。
タイトル:枯葉
夜明け前。
私は、大好きな友人に『さようなら』と言った。
友人は、哀しそうな顔していた。
窓際に見た桜は、美しく花を散らして咲いていた。
次の日、一人の女性が警察に出頭してきた。
大好きな友人は、ちゃんと私をお墓に埋めてくれたかな?
タイトル:今日にさよなら
大好きなおじいちゃん。
いつも病院のベットに居て、外を眺めてるだけ。
僕が行くと、喜んで色んなお話聞かせてくれる。
僕が知らない事を何でも知ってる。
質問したら、絶対答えが返ってくるんだ!
僕のおじいちゃんすごいでしょ!
おじいちゃん。
咳すると苦しそう。
大丈夫?って聞くと、笑顔で大丈夫って言う。
本当に大丈夫なのかな?
お母さんは、おじいちゃんの事が嫌いみたい。
いつも僕が行きたいって言うと、優しいお母さんは怒って、僕を睨んでくる。
だから、こうしてこっそり来てるんだー。
おじいちゃんがね。
お母さんとは喧嘩してから全然合ってないんだって言ってた。
仲直りしないの?って聞くといつも苦笑いして話が終わっちゃう。
ある日、僕ね。
道端にきれいなお花が咲いてたのを見つけたの!
確かこれは、おじいちゃんが好きなお花。
名前はー、えーと、、そう!
『スズラン』!
それでね!おじいちゃんにたくさんプレゼントしたんだ!花束みたいに!
おじいちゃんは、一瞬固まってたけどありがとね って言って、喜んでくれた!
嬉しいなー!
数日後、おじいちゃんは死んじゃった。
タイトル:花束
これは誰にも言えないし、どこにも書いてはいけないこと。
僕はね。君が嫌いだ。大嫌い。
いつも僕の感情をぐちゃぐちゃにする。
楽しい?
僕は全然楽しくないよ。
学校も楽しくない。
先生は、いつも君の味方。
でも先生は、僕の敵だ。
きっと先生は、僕を馬鹿にしてる。
クラスでは、君が笑うとみんなが笑ってくれる。
偽善野郎め。
良い事なんてしてないくせに。
ポジティブな事は結構だけどさ。
僕みたいなやつの気持ち考えたことある?
根暗でいつも死にたいって考えてる僕の気持ち!
あぁ、憎い。嫌いだ。大嫌いだ!!
何処かへ行ってしまえ!
僕の、僕の目の前から消えろ!
そう言って、僕は鏡を叩いた。
タイトル:どこにも書けないこと