胃弱

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 この列車は、どこへ向かっているのだろうか?

 私は、なぜこの列車に?

 古びた屋敷のような木の匂い。
 薄暗い車内。飛び回る蛾のような蟲。
 まばらに座る人達。
 年齢層は、バラバラで
 顔は暗くてよく見えない。

 行き先の名前は表示されていない。
 代わりに終点という文字だけが配列されている。

 そのせいか列車は、一切止まらずに走り続ける。

 頭が痛い。
 お腹が空いた。
 家族は、どこに居るの?
 友達は?
 みんな、どこ?

 私は、なんでここに?
 思い出せ。
 頭はどんどん痛くなる。
 
 不意に列車の扉が開く。
 奇妙にもそこには誰もいない。

 気付くと、周りにいたはずの人達も居なくなって 
 いる。
 すると、車内にアナウンスが流れる。

 お客様。お忘れ物御座いませんように
 お降りください。
 
 
目が覚めた。
 ここは、病室?

 あ、そうか私…
 あの時、急いでいてそれで車に…

            タイトル:列車に乗って

2/29/2024, 9:09:16 PM