「…タイミング!」
「…ごめん」
「いつも言ってるだろ!何回言ったらわかるんだ?」
「ごめんってばー」
「はぁーーーーゆるさねぇ」
「ごめん」
「も許すよ
「…ないたの?」
頬をすりすりと撫でると、それに応えるようにふわふわな髪の毛が手をくすぐった。
「別に?」
「嘘だ。泣いたんでしょ、跡があるよ」
「…バレたか」
「当たり前でしょ?なんだと思ってんの」
「別に〜?」
「あ、またはぐらかして!もー、それお得意なんだから」
「べーだ」
「べーじゃない!!わかったら、早く顔を洗ってきて!それも、氷水みたいに冷たいのでね」
「はー?まじで??」
「まじだわばか!はやく」
「あーもう、仕方ねぇなぁ」
「…はぁ…」
「どうしたらいいかなぁ」
「今日は半袖なんだな、良かった」
「今日は暑いから」
いつも長袖で、ずっと日陰にいるのに今日は珍しく半袖で、きちんと人間としての感性を持っていることに少し感動した。
「暑いよな」
「うん」
気温は高い。朝っぱらから下がることのない猛暑。さすがに日陰にいるとはいえ、長袖ででは厳しいものがあるだろう。
「これ、やる」
差し出されたのは、塩分タブレット。
「タブレット…?」
「熱中症にでもなったら困るからな」
はやくとれ、と怒られて、それを受け取る。差し出されていたその腕が、細くて白くて、それに俺が驚いていたから反応が遅れてしまったらしい。
「さんきゅ、ありがたくもらうわ」
「もらっておけ」
それをあけて、口に放り込む。
「…しょっぱー」
「そりゃそうだろ、塩分だぞ?」
「確かに」
「いくらでもある、欲しかったら取ってけ」
布巾着を押し付けられて、その中身をみる。
たくさんの、いろんな種類の塩分タブレット。
俺が飽きないように、たまにグミとか、ガムを入れてくれてる。
「…優しいなぁ」
「…うるさい」
一見怖そうなのに、こんなに優しいのが、ギャップで好きなんだよね。
お前の半袖、なかなかに似合ってる。
『半袖』
「すき。ねぇ」
肩をポンポンと叩かれて、後ろを振り返る。
そこには、顔を赤く染める君が立っていた。
「ねぇ、こっちむいてよ」
「なに?」
「好きだってば」
「ごめん、後にして」
はー、最低。
どこにいるかな、新しいの探そう。
ちゃんと、勉強しよう。
この物語はフィクションです。
肩掛けのショルダーバッグ
ハンカチ
日焼け止め
帽子
制汗剤
こんな暑い日は、日焼けを気にして生活しないといけないし、それ以外にも、熱中症にも気をつけなければいけない。
大変なことが沢山あるけれど、夏は好きだ。
暑いし、虫も多いし、嫌だけど、この雰囲気が、好き。
暑いな〜