あと少しだけ
あと少し、生きていれば、「生きていて良かった」と思える瞬間があるかもしれない。
あと少し、人生を諦めなければ、何か良いイベントが発生するかもしれない。
あと少しだけ。
あと少しだけ。
がんばらなくてもいい。
生きてるだけでいい。
生きてることが重要なのだから。
楽しくもない、苦しくもない、そんな人生を、
あと、少しだけ。
神々の国へのきざはし
あなたの魂が暗闇で光る
あなたには何もかもが見えている
ぼくの鼓動が高鳴る
ぼくにはあなた以外何も見えない
太古の深海で
遥か未来の都市で
運河で
大地で
新世界で
エルサレムで
あなたはこの世界を創造し
ぼくはあなたに与えられた知恵の実を食べる
そして人類は地上に恵みをもたらした
ぼくとあなたは繋がる
深く、深く…
やがて王国は滅亡し
電子が世界を覆い
目まぐるしく新しいものへと変わっていく
銀河
小惑星
天体
神々の国
荒野に雨が降る…
モノクロ
瞳にかかった雨雲も
どっかに飛んでいったみたい
私はもう大丈夫よ
何も悲しくないから
安心して。振り向かないで。
私はここにいるから
白黒の世界に花束を添えよう
「これでお別れです」
長いようで短い夏の夜が終わる。
大丈夫よ
朝には涙も乾いてるだろうから
前に進まなきゃ、君の分まで
祈りながら、君とまた会えることを信じて。
無題
あなたを失って、いったいどれだけぼくの心は傷ついたのだろう。
あんなに長い時間を過ごしたのに、もう姿もはっきりとしない。
顔もあやふやになり、何よりあなたの素敵な声がどんなだったか、思い出せない。
あなたは本当に存在していたのか?
ぼくの造り出した幻想じゃないのか?
でも、手元にあるあなたの写真は、どうやら本物みたいで……
マイ・テリトリー
金網をくぐった先が私の居場所だ
空気がひんやりしていて、雑音が遮断されている
昨日の雨水の流れる音がトンネル内に反響している
ここなら、汚れた電波が飛び交っていない
立ち入り禁止の場所に、私ひとり
危険はない、私有地でもない、高速道路の下
昼間でも薄暗いトンネルに、雨水と私
体育座りをして、壁によりかかる
誰も私を探さない
日が暮れるまで、ここにいよう
何もしたくないから、何もしない
まるで墓の中にいるみたいだ
死んだら墓の中に誰かが私をいれてくれるはず
少なくとも、ここにいれば爆弾が飛んできても大丈夫そうだ
ここは私の領域。