John Doe(短編小説)

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マイ・テリトリー


金網をくぐった先が私の居場所だ

空気がひんやりしていて、雑音が遮断されている

昨日の雨水の流れる音がトンネル内に反響している

ここなら、汚れた電波が飛び交っていない

立ち入り禁止の場所に、私ひとり

危険はない、私有地でもない、高速道路の下

昼間でも薄暗いトンネルに、雨水と私

体育座りをして、壁によりかかる

誰も私を探さない

日が暮れるまで、ここにいよう

何もしたくないから、何もしない

まるで墓の中にいるみたいだ

死んだら墓の中に誰かが私をいれてくれるはず

少なくとも、ここにいれば爆弾が飛んできても大丈夫そうだ

ここは私の領域。

4/30/2023, 9:42:52 AM