John Doe(短編小説)

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5/4/2023, 12:24:40 PM

神々の国へのきざはし


あなたの魂が暗闇で光る
あなたには何もかもが見えている
ぼくの鼓動が高鳴る
ぼくにはあなた以外何も見えない

太古の深海で
遥か未来の都市で
運河で
大地で
新世界で
エルサレムで

あなたはこの世界を創造し
ぼくはあなたに与えられた知恵の実を食べる
そして人類は地上に恵みをもたらした
ぼくとあなたは繋がる

深く、深く…

やがて王国は滅亡し
電子が世界を覆い
目まぐるしく新しいものへと変わっていく

銀河
小惑星
天体
神々の国

荒野に雨が降る…









5/3/2023, 9:29:51 AM

モノクロ


瞳にかかった雨雲も
どっかに飛んでいったみたい
私はもう大丈夫よ
何も悲しくないから
安心して。振り向かないで。
私はここにいるから

白黒の世界に花束を添えよう
「これでお別れです」
長いようで短い夏の夜が終わる。

大丈夫よ
朝には涙も乾いてるだろうから
前に進まなきゃ、君の分まで
祈りながら、君とまた会えることを信じて。

5/1/2023, 9:22:31 AM

無題


あなたを失って、いったいどれだけぼくの心は傷ついたのだろう。
あんなに長い時間を過ごしたのに、もう姿もはっきりとしない。
顔もあやふやになり、何よりあなたの素敵な声がどんなだったか、思い出せない。

あなたは本当に存在していたのか?
ぼくの造り出した幻想じゃないのか?

でも、手元にあるあなたの写真は、どうやら本物みたいで……

4/30/2023, 9:42:52 AM

マイ・テリトリー


金網をくぐった先が私の居場所だ

空気がひんやりしていて、雑音が遮断されている

昨日の雨水の流れる音がトンネル内に反響している

ここなら、汚れた電波が飛び交っていない

立ち入り禁止の場所に、私ひとり

危険はない、私有地でもない、高速道路の下

昼間でも薄暗いトンネルに、雨水と私

体育座りをして、壁によりかかる

誰も私を探さない

日が暮れるまで、ここにいよう

何もしたくないから、何もしない

まるで墓の中にいるみたいだ

死んだら墓の中に誰かが私をいれてくれるはず

少なくとも、ここにいれば爆弾が飛んできても大丈夫そうだ

ここは私の領域。

4/27/2023, 1:44:56 PM

生きる意味


生きる意味なんてない。

気がついたら生まれてて、いつか死ぬだけ。

ただ、それだけ。

死んだら。

死んだら、すべてが終わり。

死んだら、どうなるかって?

そんなの、生まれてくる前の状態に戻るだけさ。

そんなの、誰も覚えちゃいない。

生きる意味はない。

でも、自分が死んだら周りがひどく困るだろう。

焦らず、生きていくしかないんだ。

むしろ、死は楽しみにしておいてやろう。

それがぼくの「生きる意味」ってことで。

だから、楽しみは最後に取って置こうと思う。

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