NoName14

Open App
12/4/2024, 12:32:34 AM


さよならは言わないで。
さよならは言わないで。

縋るように、絡みつくように

あなたに、私の痕が残るように。
爪をたて肩を噛み
あなたが、私の中に残るように。

私の大好きな、あなたの笑顔が
歪むほど
きつくきつく抱きしめ合った。

このまま、2人の心が壊れて
しまえばいいと
想える人は、居ないから。

あなたの胸に、刻まれた
青い龍が好きだった。
穏やかで優しく、雲を抜け天に昇る。

まるで、あなたのようだねと
何度伝えたことだろう。


ふと、手の温もりで
目を覚ます。
私の身体も思考も全てが、確実に
朧げになりつつなる中で

微かに見える、あなたは
半分笑って、半分泣いていた。

さよならは言わないで。
あの言葉は、どちらが言ったんだっけ。
また、眠りの波がやってくる。
ああ、身体がまたひとつ分軽くなる。

あなたの大きくて、包み込むような
手の温もりを感じながら
私は静かに、瞳を閉じる…。

私の名を呼ぶ声が
少しずつ遠く離れてく

「愛してる」

この気持ちと声は、届いたかな。


【お題:さよならは言わないで】


12/3/2024, 9:16:36 AM


光と闇の狭間

その真ん中で
出来るだけ、小さく小さく
丸まって。

はみ出さないように
私は、座っている。

向かい合わせに置かれた
メトロノームは
カチカチと、止まることなく
光と闇に触れている。触れている。


私は、ただそれを見つめている。
見つめている。


【お題:光と闇の狭間で】



12/1/2024, 2:59:42 PM


物理的な、距離は
いつか縮める事が出来ても


価値観の距離は
どうしたって
埋まらない事もあると知った。


それは、寄り添えば
受け入れれば、いつか分かり合える
という次元の話しでもなくて、、

そういう現実もあるのだと
知ったからこそ
それを、否定することも
私の価値観に取り込む事もしないまま

その人の生きかたや価値観を
ありのまま、自分の中の片隅に
置いておく事にした。


正解も不正解も、出ない。
明確な答えもない。
けれど、それでも良いんだよと。

私は、私の決めたことに悔いはない。


【お題:距離】

11/30/2024, 3:21:42 PM


泣かないで

君が沢山苦しんだこと
ひとりでずっと耐えたこと
気を使って相談も弱音も吐けない
君の性格を知っていたのに。

きっと、ひとりぼっちで
たくさん泣いたよね。

ごめんね。

もう、大丈夫!という君は
またひとりで、戦おうとしてる。

けど次は、僕が君を守るから。

泣かないで、、なんて
これまで、頑張ってきた君に
言う事は出来ない。

だからこれからは
我慢しなくていいんだよ。と
伝え続けよう。

頑なに強張った
君の心に届くまで。


【お題:泣かないで】


11/29/2024, 1:48:12 PM


気が付けば、日没が早まり
遠く沈む太陽が
木々をシルエット状に映えさせる。

時折、肩をすくめるような風が吹き
上着のフードを、きゅっと寄せる。

遠く離れた、君の住む土地では
こちらより、ひと足もふた足も先に
冬が訪れる。

見上げる空は、君のもとまで
続いているのに

君の頬に触れては溶ける
粉雪が、俺の頬に触れることは
無いのだと。
無性に切なさが込み上げてくる
この気持ちは、なんだろう。

ただ、会いたい。

ふと過ぎる感情に
こぼれそうになるこの想いに
ポケットの中の手を
力いっぱいに、握りしめた。


【お題:冬のはじまり】

Next