さよならは言わないで。
さよならは言わないで。
縋るように、絡みつくように
あなたに、私の痕が残るように。
爪をたて肩を噛み
あなたが、私の中に残るように。
私の大好きな、あなたの笑顔が
歪むほど
きつくきつく抱きしめ合った。
このまま、2人の心が壊れて
しまえばいいと
想える人は、居ないから。
あなたの胸に、刻まれた
青い龍が好きだった。
穏やかで優しく、雲を抜け天に昇る。
まるで、あなたのようだねと
何度伝えたことだろう。
ふと、手の温もりで
目を覚ます。
私の身体も思考も全てが、確実に
朧げになりつつなる中で
微かに見える、あなたは
半分笑って、半分泣いていた。
さよならは言わないで。
あの言葉は、どちらが言ったんだっけ。
また、眠りの波がやってくる。
ああ、身体がまたひとつ分軽くなる。
あなたの大きくて、包み込むような
手の温もりを感じながら
私は静かに、瞳を閉じる…。
私の名を呼ぶ声が
少しずつ遠く離れてく
「愛してる」
この気持ちと声は、届いたかな。
【お題:さよならは言わないで】
12/4/2024, 12:32:34 AM