NoName14

Open App
9/26/2024, 10:56:15 PM


秋、大好きだよ。

四季のある、この国で
それぞれの空の青や雲の形が
あるけれど。

私は、秋が大好きだよ。

葉が色付き
落葉となり
道を彩る。

黄金の稲穂は
重く首を垂らし
実り揺られて
刈り取られ、また命を繋ぐ。

秋桜は背丈を伸ばし
風に煽られても尚、強く咲き
燕は南国へと帰ってゆくね。

日々、変わりゆく景色は
美しく…
言葉では紡ぎきれない
そのものを、どうか見に行って欲しい。
そうして、触れて包まれて
貴方も、秋色に染まりますように。


【お題:秋🍁】

9/21/2024, 5:14:43 PM


早く眠りたいのに

勢いよく降り始めた雨の音と
激しい稲光り
そして時折
窓を震わすような雷鳴が

私の心をざわつかせる。

この雨が過ぎれば
夏は押し流されるように去り
秋が始まるのだろう。

そんなことを、ぼんやりと
考えながら
スマホに手を伸ばすと
LINEの通知が表示されている。

「雷、うるさくて寝れねーわ笑」

ぶっきらぼうな、短文が彼らしい。

「同じく…笑」

と、返すとまた直ぐに既読が付いた。
そうして、いつものなんて事ない
やり取りをしていると

ざわついた心は穏やかになり
瞼がどんどんと、重たくなってきた。

「なんか、あんたとLINEしてたら
急に眠くなったわ。おやすみー」

それだけ送信して、私は眠りについた。

まだ、何も気付いていなかった
夏の最後の夜の出来事。
これから彩られてゆく、何もかもを
知らずに。


【お題:秋恋】

9/11/2024, 1:17:29 PM


カレンダーには
よほど、大事な用事以外は
書き込むのをやめた。

空白の少ない、スケジュール帳も
鞄から放り出した。

文字の羅列に、縛られて
カレンダーやスケジュール帳を
見る度に、時間を逆算して
息が苦しくなった。

最初のうちは
それが、自己満足でやり甲斐でも
あったのに。

あの、ビッシリと書き込まれた
カレンダーは、私の自信の無さ…
そのものだったのかもしれない。

真っ黒であるほどに、求められている
ような…自己陶酔の世界。
そのうちに、大事なモノも書き潰して
しまった気がする。

それは、私には合わなかったんだ。
予定はあるけど
いま、家のカレンダーには
空白が沢山ある。

それだけで、なんだか少し
穏やかでいられる。


【お題:カレンダー】

9/9/2024, 5:11:24 PM


私は、世界に一つだけ
皆んなも、世界に一つだけ

どこを、見回してみても
世界に一つが、溢れている。

同じ景色を見ても
同じ食事をしても

感じかたも、世界に一つだけ。

世界に一つは、特別なことじゃない。
もしかしたらこの世界自体は
『無』みたいなもので

そこに、感情という色彩を垂らすから
波紋のように広がって
何かを感じながら、人は生きているのかも
しれない。


【お題:世界に一つだけ】

9/8/2024, 2:01:23 AM


踊るように
泳ぐように
舞い上がるように。

生きる為の
生活の動作が、会話が、心が…

そうであれば良いのにと。

同じ天井を眺めながら
何度も、思った。

踊り出すと手を引かれ
泳ごうとすると、波は去り
舞い上がる為の翼は、羽ばたかない。

諦めなさいと重石を
幾つも担がされているような
そんな日も…

私の思考は、とめどなく。
踊るように
泳ぐように
舞い上がる。


【お題:踊るように】

Next