鳥かごの中には
何が見える?
何羽かの鳥?
それとも、空っぽ?
自分自身や、愛する人?
閉じ込めるのも
閉じ込められるのも好きじゃない。
だから私は、出入り口も
常にあけておく。
気が向いたら、餌を食べに
来てもいいし。
羽根を休ませてる隙に
捕まえたりもしないよ。
いつだって、飛び立つ自由は
誰にでも平等にあるはず
それなのに、私は…
少々の不便は、不要な付属品として
人生という時間制限には付き物だ。
部屋に舞い落ちた、羽根を手に取り
ふっと吹くと
驚くほど軽やかに、また羽根は
空に戻った。
【お題鳥かご】
築いてきたと、思っていた 友情。
気持ちの厚みも
過ごした時間も
困っていたら、助けたい
悩んでいるなら、静かに見守りたい
かけたい言葉を
時には、グッとのみこんで
背中をさすった。
だけど、また、違ったんだね。
きっとこの沈黙は
そういう事なんだよね。
寂しくて、2回ほどノックは
してみたけれど。
ソコに居るのに、返事はない。
私が思うよりも
友情は、希薄で…脆いものなのかな。
静かに立ち去りながら
どうしてかなって…小さく寂しい
ため息がこぼれた。
【お題:友情】
私は、私だけという亡霊に
酷く取り憑かれていた。
最初は、砂時計のように
サラサラと溜まり込んだ不満や
吐き場所のない思いだった。
砂は湿り、重みを増して
私の苦しみは蓄積した。
そのうちに、心まで蝕まれた。
私が私を追い詰めた結果だった。
そうして、そのうちいつか
自分に向けていた刃を
他人に向けてしまうのではと
こわくなった。
自分を守ること
自分を大切にすること
それを、自分に許可してあげること
そうすることで、少しずつゆっくりと
砂は乾き、時間は再び動き出した。
けれど、あの苦しさは忘れない。
もう二度と囚われないためにも…
【お題:私だけ】
3年、5年も経てば
時間の早さに、随分と驚かされる。
辛かったこと
嬉しかったこと
苦しかったこと
幸せだったこと
その時々の場面で
比重の重たかった方が
深く記憶に残るのではないかと思う。
そうして、人生は上手いこと
多少の差異はあれど
最期には、帳尻が合うようになって
いるのかな。
今までが、楽しいことばかりだったから
不幸が訪れるというわけでは無いけれど
長く、花の咲かなかった人は
それだけ沢山の雨風に耐えてきた時間だけ
地中で、根を伸ばし続けてきたんだ。
雨がやめば、必ず花が咲く。
私もそう信じているうちの1人だから。
その根本には、最初の種がある。
それこそが、遠い日の記憶かもしれない。
【お題:遠い日の記憶】
早朝の、薄青の空に
取り残されたような、小さく欠けた白い月。
目に見えるのに
当たり前じゃない場所にいるんだね?
名前も、夜の姿も
知っているのに…埋まらない距離。
誰かさんみたいじゃないかと
少し笑ってしまった。
【お題:空を見上げて心に浮かんだこと】