終わりにしよう
なんて、簡単に。
終われないことの方が
多いでしょう。
どれだけ、慎重に
終わりを受け入れたところで
スパッと、切りきれなかった
想いは ジワジワと滲む。
きっと あの人もこの人も
通りすがりの誰かも
幾つかの古傷や、まだキツい痛みを
伏せていたりするんだろう。
街の雑踏 開いた傷口
終わりにしよう。今日も何処かで
その言葉が 誰かのもとに届いている。
【お題:終わりにしよう】
手を取り合って
誰と、何処へ向かおうか。
幼い頃に、握りたかった手は
私の低い目線からでは
顔が見えず、その手の感触だけで
父だと、わかった。
そうして、多感な時期を
迎えるよりも随分と早くに
私は、頼れる温かな掌を握る事が
出来なくなった。
そうして、世代は移り変わり
本来ならば、手を取り合って育てるべき
わが子たちの、温かな手を
私は、ひとりで包み込んでいる。
この命より尊い、温もりが
心の中では不変であれ
いつか、見守るべき時の訪れを
私は、知っている。
だからこそ、今は沢山沢山
手を繋ごう。
私が欲しかった分まで
何もかもを、注いでゆこう。
【お題:手を取り合って】
何気なく送った
1件のLINE。
その短い返事に
救われる、1日もあるよ。
普段から、マメにやり取り
するわけでもく
何かを、察したのか
「急に、どうした?」と
聞いてくれる。
「よく分からないけど、疲れたのかな笑」
コッチも多くは、語らない。
「疲れたなら、休め」
「今度、コッチ来た時は朝まで
呑み付き合うぞ」
ポンポンと、表示される返事に
目を丸くする。
疲れ過ぎて忘れてた。
今の、居場所から移動して
自分の為に、息抜きすること。
疲れた毎日に、ご褒美をあげられるのは
自分だってこと。
その小さな目的の為に
頑張るのは、悪くないなと思えた。
【お題:1件のLINE】
私の当たり前が
人と違うことは、分かっていても。
平気で、悪口を吐く人や
いつでもバレる嘘をつく人は
嫌いだ。
大嫌いだ。
ただ、そういうのに巻き込まれても
恨みや憎しみを残したくないからなのか
あの時、嫌だったなっていう
漠然とした記憶の箱だけは残るけど
その中で起こった話や
関わった人間への興味はもう無い。
許す許さないの、どちらかに分けなければ
ならないのなら。許している。
話しは、変わるけど
私は、トンボが昔から好きだ。
前にしか進まない、不退転の勝ち虫という
のは、有名かもしれないけど。
そんなトンボを眺めていたら
誰かの当たり前や、自分の当たり前なんて
どうでもいい気がする。
生きてる限り、誰しもが前に進むのだから。
【お題:私の当たり前】
街の明かりがポツポツと
夜が日を跨ぐ頃には消えてゆく。
部屋中の電気を消して
生温い、夏の夜風に吹かれながら
その明かりをアテに
缶ビールを飲む。
街の空は、どんよりしていて
夜でも濁って見えるのは何故だろう。
星ひとつも、見えないこの場所は
今夜もまた微かに
サイレンの音が聞こえる。
忙しない街。
昼間ですら、彩りを感じない。
ただ、帰る場所の無い俺には
ちょうどいい街。
【お題:街の明かり】