私は、私だけという亡霊に
酷く取り憑かれていた。
最初は、砂時計のように
サラサラと溜まり込んだ不満や
吐き場所のない思いだった。
砂は湿り、重みを増して
私の苦しみは蓄積した。
そのうちに、心まで蝕まれた。
私が私を追い詰めた結果だった。
そうして、そのうちいつか
自分に向けていた刃を
他人に向けてしまうのではと
こわくなった。
自分を守ること
自分を大切にすること
それを、自分に許可してあげること
そうすることで、少しずつゆっくりと
砂は乾き、時間は再び動き出した。
けれど、あの苦しさは忘れない。
もう二度と囚われないためにも…
【お題:私だけ】
7/18/2024, 1:02:53 PM