NoName14

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7/18/2024, 1:02:53 PM


私は、私だけという亡霊に
酷く取り憑かれていた。

最初は、砂時計のように
サラサラと溜まり込んだ不満や
吐き場所のない思いだった。

砂は湿り、重みを増して
私の苦しみは蓄積した。

そのうちに、心まで蝕まれた。
私が私を追い詰めた結果だった。

そうして、そのうちいつか
自分に向けていた刃を
他人に向けてしまうのではと
こわくなった。

自分を守ること
自分を大切にすること
それを、自分に許可してあげること

そうすることで、少しずつゆっくりと
砂は乾き、時間は再び動き出した。

けれど、あの苦しさは忘れない。
もう二度と囚われないためにも…

【お題:私だけ】

7/17/2024, 2:27:33 PM


3年、5年も経てば
時間の早さに、随分と驚かされる。

辛かったこと
嬉しかったこと
苦しかったこと
幸せだったこと

その時々の場面で
比重の重たかった方が
深く記憶に残るのではないかと思う。

そうして、人生は上手いこと
多少の差異はあれど
最期には、帳尻が合うようになって
いるのかな。

今までが、楽しいことばかりだったから
不幸が訪れるというわけでは無いけれど

長く、花の咲かなかった人は
それだけ沢山の雨風に耐えてきた時間だけ
地中で、根を伸ばし続けてきたんだ。

雨がやめば、必ず花が咲く。
私もそう信じているうちの1人だから。
その根本には、最初の種がある。
それこそが、遠い日の記憶かもしれない。



【お題:遠い日の記憶】

7/16/2024, 2:54:13 PM

   
早朝の、薄青の空に
取り残されたような、小さく欠けた白い月。


目に見えるのに
当たり前じゃない場所にいるんだね?

名前も、夜の姿も
知っているのに…埋まらない距離。

誰かさんみたいじゃないかと


少し笑ってしまった。


【お題:空を見上げて心に浮かんだこと】  

7/16/2024, 1:16:41 AM


終わりにしよう

なんて、簡単に。

終われないことの方が
多いでしょう。

どれだけ、慎重に
終わりを受け入れたところで

スパッと、切りきれなかった
想いは ジワジワと滲む。

きっと あの人もこの人も
通りすがりの誰かも

幾つかの古傷や、まだキツい痛みを
伏せていたりするんだろう。

街の雑踏 開いた傷口
終わりにしよう。今日も何処かで
その言葉が 誰かのもとに届いている。


【お題:終わりにしよう】

7/14/2024, 7:28:45 PM


手を取り合って
誰と、何処へ向かおうか。

幼い頃に、握りたかった手は
私の低い目線からでは
顔が見えず、その手の感触だけで

父だと、わかった。

そうして、多感な時期を
迎えるよりも随分と早くに
私は、頼れる温かな掌を握る事が
出来なくなった。

そうして、世代は移り変わり
本来ならば、手を取り合って育てるべき
わが子たちの、温かな手を
私は、ひとりで包み込んでいる。

この命より尊い、温もりが
心の中では不変であれ
いつか、見守るべき時の訪れを

私は、知っている。

だからこそ、今は沢山沢山
手を繋ごう。
私が欲しかった分まで
何もかもを、注いでゆこう。


【お題:手を取り合って】

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