意味がないこと
話す気のない あの人と
会話をすること。
私を 否定して満足する
あの人と 一緒に居ること。
睨んでるんじゃないよ?
悲しいんだよ。
何年も、そばに居て沢山のことを言葉で
伝えても 意味がないことだった。
【お題:意味がないこと】
あなたとわたしは
違う生き物。
どれだけ一緒に居ても
同じには なれない。
だけど、違うからこそ
愛おしく感じる
わたしではないから
大切にしたいと 思える。
感謝の気持ちや
嬉しいよ って言葉を
使うと わたしたちはきっと
ずっと一緒に 居られるのかな。
【お題:あなたとわたし】
薄靄の中、しっとりとした
音の無い雨が降る。
ひどく打ちつける横殴りの
雨とは違って
いまの、私には余りにも
優し過ぎる。
乾いた瞳に、柔らかな雨が触れて
頬を伝う。
それが、いつしか
温かい涙となって本当に泣いてしまって
いることに ふと、気づいた。
噛み締め、きつく閉じた唇を
薄くあけ ふぅっと…息を吐く。
柔らかな雨は まだ止まない。
【お題:柔らかい雨】
たくさんのページをめくって
探し続けた。
自分の中の頼りなかった
信念を、磨き続けた。
その先に 一筋の光
柔らかな殻に包まれた
私の中の 信じて来たものたちが
いま 生まれる。
【お題:一筋の光】
いつも、来ていたお客さんが
ふと顔を見せなくなった。
声は、しわがれて
目元には、深い笑い皺が
印象的だった。
ハンチング帽と、煙草の匂い。
病気を患っているのは
知っていたが、いつも相変わらずな
人だった。
亡くなったと、聞いたときは
ああ…そうかという気持ちしかなかった。
その日の帰り道は
真っ赤な夕焼けと影を成す木々が
まるでシルエットのように
物悲しく、綺麗だった。
ハンチング帽と…煙草の匂い…
それほど吸いたい気持ちでも
なかったけれど
私は、煙草に火をつけ
茜色に染まる空にゆっくりと
煙を吐いた。
【お題:哀愁をそそる】