世界に一つだけで、いいから
安心できる場所が欲しい。
安心して、呼吸をして
顔色や機嫌に振り回されない。
安心できる暮らしがしたい。
【お題:世界に一つだけ】
焼け焦げそうな猛暑日に耐え
ひたすらに青い空と
入道雲を、クラクラとする熱風のなか
過ごした夏も
なんとか、乗り切った頃
朝晩の少し冷んやりとした
心地良い風に、ふと気付く…。
秋が少しずつ、少しずつ
台風の到来を越えてじわじわと
稲刈りの光景や
赤とんぼと共にやってくるのだ。
気温が下がるにつれ
紅葉が始まり、私の好きな秋がくる。
春夏秋冬がステージならば
秋は、名場面。
心が踊るように弾む
大好きな、シーンなのだ。
【お題:踊るように】
夕方17時を告げる、放送で
子どもたちは散らばるように
お家に、帰る。
閉店間際のスーパーに
駆け込んで、蛍の光に恐縮しながら
(調べたら、別れのワルツというらしい)
必要な物を慌てて買い物カゴに
投げ込むように足早に買い物を済ませる。
スマホのアラームが鳴る数分前に
目が覚めて、うつらうつらと
朝食の準備をし始める。
玄関のチャイムが鳴って
待ちに待った、荷物が届く。
暮らしの中には、いつもどこかに
一喜一憂するような
時を告げる『音』がある。
【お題:時を告げる】
指先に乗るほどの
小さな貝殻を、夏が終わり
静けさを取り戻した浜辺で見つけた。
今夏も、暑過ぎて
真夏の海を訪れることは
出来なかった。
体力は、吸い上げられるように
日に日に奪われ
点滴が、ポタポタと落ちる
あの光景が、夏の思い出だなんて。
少し悲しくて
夏の名残惜しい気持ちを
残したくなくて、海に来た。
ただ、実際に来てみれば
波のぶつかる音や、海風は
そんなちっぽけな感情を吹き飛ばして
くれるほど、力強くて
素晴らしかった。
そっと、小さな貝殻を浜辺に戻して
もう少し歩く事にした。
人生は、何が起こるか分からない。
見たいものは、見るべきだなと
水平線を横目に…思った。
【お題:貝殻】
凛とした華を自分の中に
咲かせている人は
どれほど、歳を重ねても美しく
素敵だなと思う。
手を見れば、なんとなく分かる
生き様…生活感…
お金の受け渡しや
書き物をお客様にお願いする
ことの多い仕事柄
ふと、手を眺めてしまう。
指先は、真っ赤なネイルが施され
高貴な薔薇のようだった。
やはり、素敵だなぁと見惚れてしまう。
私もそんなふうにと、憧れる。
目に見えぬ、きらめきが
内面から醸し出されるものならば
私は、何に誇りを抱いて
生きて行こうかと…ふと、考える。
【お題:きらめき】