些細なことでも
何か、ひとつでも知れたら
知ってもらえたら、本当に嬉しい。
どれだけ、時間がかかっても
あなたと幸せを、足し算してゆけたら
どれほど幸せなんだろう。
【お題:些細なことでも】
どうして、この火は消えないのか。
時に、不安の中を彷徨いながら
時に、絶望の淵に足をすくませながら
それでも、胸の中の火は消えない。
希望や未来や幸せを
照らす訳でもないのに。
ただ、私の内側に灯る火は
誰かの灯火に
寄り添うことは出来るようで。
また、私も同じように
されたとき
確かに、思いやりという
優しい何かに包まれた。
私が、私らしく生きて良いのかと
自分を見つめ直すとき
心の灯火は、静かに揺らめいている。
【お題:心の灯火】
不完全な僕は
いつも、片羽をバタつかせて
空に焦がれる。
仲間たちは、ひとつの大きな
鳥のように群れをなし
遠くの果てまで、飛んでゆく。
だけど、僕は
地上の事を良く知った。
危険もあった。
それでも、生き抜いた。
時には、傷つき空を離れた仲間に
地上での生きる術を伝える事もあった。
そうして、僕は
いつの間にか
自分の居場所を見つけていた。
例え、空でなくとも
素晴らしい場所や出会いは
何処にでもあることを、知った。
【お題:不完全な僕】
洗練された。
美しい小瓶で
煌めく香水ですら
敵うものはなく。
どんな、香水よりも
あなたの首筋から香る
あの匂いに、私は溶ける。
【お題:香水】
母は、イラついたように
広げられたテストの端を指で弾き
深いため息をつく。
点数は悪くなかった。
ただ、満点ではなかった。
『ごめんなさい』
「謝罪は要らないの、結果にして頂戴!」
上司は、イラついたように
私に任せっきりだった資料を丸め
ゴミ箱に投げ込んだ。
資料は、完璧だった。
が、完璧が故に気に食わないようだった。
『すみませんでした』
「気が利かないんだよなぁ、入社何年目よ。
そういうのは、言わなくても察するもんだよ?」
ことば、言葉、要らないもの。
結果を出せば、気が利かないと言う。
何も言わなければ、ヒソヒソと
誰かが囁いている。
だけど、私は…
神様、次に生まれてくるときは
どうかどうか…言葉の要らないモノに
変えてください。
言葉を交わさずに、愛されるような
そんな世界があるのならば。
『人間』である、必要はきっとないから。
【お題:言葉は要らない、ただ⋯】