高く積み上がった書物に埋まるように
黙々と必要な情報を追いかける。
西陽が少し眩しいなと…
ふと、顔を上げると君が居た。
束の間の沈黙。
『相変わらず、すげぇ集中力だな』
彼は、少し呆れたように
ぐーっと伸びをして
そのまま高く上げた手で私の頭を撫でた。
『相変わらず、ボサボサだ』
私は、ぼろぼろとこぼれ落ちる涙も
ここが図書館であることも
高く積み上がった書物も何もかも
忘れて、目の前の彼に抱きついた。
「来週って…帰るの来週って…」
優しく包み込むように、背中をさすって
くれる彼は
『けど、もっと早く会いたかったから』
と、静かに囁いた。
【お題:突然の君の訪問。】
ぼちぼち、良い歳になる。
家庭を築き、母親になり。
歩幅の合わない、パートナーとも
連れ添って10年…14年にもなろうと
している。
ひとりになりたい。
ふと思い立ち、雨降る夜、外に出る。
傘も要らぬほどの小雨。
遠くの空では、雷が光っている。
あの雷が一瞬にして
私の元まで走り稲妻を落とす確率は
どれくらいだろうか。
バカな空想だ。きっと私は疲れているんだ。
だけどもう少しだけ、ひとりでいたい。
小雨がいつの間にか
大粒の雨に変わり、アスファルトを
強く打つ。
その中で、私はひとり、雨に佇む。
【お題:雨に佇む】
波音だけが世界を包む
夜の海で
孤独で、居られるこの瞬間が
心地よかった。
きらびやかな、夜の街に潜む日常から
解き放たれる。
この闇が、私には優しい。
誰よりも高い高い場所で
眩し過ぎる照明とライトを浴びて
眠らぬ街から、私は離れた。
限りある人生と、夜の海。
どうやって生きて行こうか
彷徨える…それが、いまの幸せ。
【お題:夜の海】
自転車に乗って、空を飛んだ。
世界はまわって
私は、地面に放り出された。
身体中が、痛かった。
空は、青かった。
前輪の潰れた自転車を担いで
ぼーっとする思考で
また、空を仰いだ。。。
あのまま、飛んでいってしまえたら
良かったのにと。
大きな声を上げて、泣いた。
【お題:自転車に乗って】
心の健康ですか?
食事、睡眠、適度な運動とか?
心と身体は繋がってるから
きっと、これも大事。
コミュニケーションも
社会という環境に触れることも
笑ったり、泣いたり、怒ったり。
案外に、心の健康を維持するのは
大変かもしれない。
ただ、ただ…私は
私の心を嘘と裏切りで
踏み潰してくる奴をまずは
追い出そうとしよう。
【お題:心の健康】