あいつには、随分助けられたわ…と
電話越しに聞いた
彼の言葉。
お前が、居たからと…
私もその言葉がほしかった。
【お題:あなたがいたから】
誰もいない、雨の日の帰り道
傘をクルクルと回しながら
ひとり、帰る。
新しい傘の模様は
お気に入りで、普段見慣れた
紫陽花もより綺麗に感じる。
ふと、視線を前に戻すと
遠くからでも分かるあの人の
後ろ姿が見えた。
今朝、私の傘を「良いね」って
褒めてくれた彼だ。
ひとつの傘に、2人…
それは、私のお気に入りの傘よりも
雨の日によく似合う光景だった。
ふぅ…っと、息を吐いて
立ち止まる。
紫陽花に語りかけるように
自分に言い聞かせるように
「お似合いだね」と呟いた。
じんわり胸の奥がいたいけど
泣いたって、涙ごとこの雨と一緒に
流れてしまいそうだから。
こんどは、彼の真似をして
「良いね」って、言ってみたんだ。
【お題:相合傘】
身体は地に足が着いてるのに
肉体意外のすべてが
ゆるゆると、日常に埋没してゆく
落ちる、落ちる、落ちてゆく。
そのうちに、肉体すらも
膝を着いて倒れてゆく。
孤独と絶望は何色だ。
ただひたすらに、追い込まれた
心だけが本能で生きたいと
上を向かせる。
あぁ、あぁ、あぁ…
それは、恐ろしい夢だった。
このままでは、いけないと
そういう警告だったのかもしれない。
【お題:落下】
未来、これから先の時間。
何が待っているのか
何を選択してゆくのか
誰と出会うのか
未来は、分からない。
予測出来ない不安は置いておこう。
いま、必要以上に怯える事はないから。
私は、私のことを
ちゃんと知っているから
見失わずに.ゆっくりでいいから。
【お題:未来】
1年前のこと…覚えてないや。
日常は、日を跨ぐたびに
上書きされて
積み重なって
記憶は、グラグラと不安定に
雪崩れていった。
けど、これから先…
こうだったら良いなっていう
本当に小さな小さな夢があるから
今日も、また明日を
迎えたいと思うんだ。
【お題:1年前】