仕事のストレスが溜まると、青空が見たくなって高層ビルの展望フロアまで足を運んでしまう。
空の広さに自由を感じて感動するんだ。
重くなっていた心が晴れて行く気がして、空の近くに行きたくなる。
俺の仕事はお医者さんだから、失敗は基本できないんだ。
でも、ままならないことが溜まれば心が疲弊する。
そういう時に展望フロアがある高いビルに遊びに行った。
地上にいても遠い空。
全然届きはしないけど、それでも手を伸ばしたくなるし、近いところに行きたい。
でもさ、最近ちょっと違うんだよね。
好きなものがやたら被っている子がいて、最近よく話す。
「あの子になら……一緒に見たいかもな」
なんでだろう。
そうは思うけど、その疑問には見ないふりして空を見続けた。
おわり
六九六、遠くの空へ
どうしよう。
彼女からの返事が嬉しくて何も言えない。
うっかり伝えてしまった心の奥にしまっていた気持ち。それに彼女は応えてくれた。
どうしよう。
嬉しい。
手を伸ばして彼女の頬に触れる。
俺の手に彼女の手がおおって、頬を擦り寄せてくれた。
頬を赤らめながら笑う彼女は今まで見た中で一番可愛いんだから、本当にズルいよ。
おわり
六九五、言葉にできない
桜舞う季節。
花より俺の視線を奪う彼女がニコニコしていて、それだけで嬉しくなる。
「あ、こんにちはー!!」
彼女は俺を見つけて、小走りで近寄ってくれる。それがまた可愛くて頬が緩みそうになるのを何とかこらえた。
「こんにちは」
見つけてくれたのも嬉しいんだよね。
こんな表情を見ていると更に笑顔が見たくなって、さっき買ったばかりの炭酸飲料を差し出した。
「これあげる〜」
「なんですか?」
ペットボトルのラベルには俺と彼女が好きなクリームソーダが描かれている。それに気がついた彼女は花が咲き乱れるように笑ってくれた。
おわり
六九四、春爛漫
気になる彼の周りには、女の子が沢山いる。
彼が優しい人だから、普通に悩みを聞いているうちに〝その気〟になっちゃうみたい。
私は悩みと言うより偶然の重なりで、色々話しているうちに……ああ、でもやっぱり彼の優しいところが気になっちゃう。
でもね、私知っているんだ。
クリームソーダが大好きなこと。
青が好きなこと。
うさぎが大好きなこと。
あと、ちょっとイジワルなところがあること!
他にも、他にも……。
仕事のことは、いそがしいってことは知っているけれど。そこはお互い様かな。
誰よりも、ずっと。
なんて言えないけど。
私は瞳と閉じて、彼の笑顔を思い出す。
その笑顔は太陽みたいに輝いていて、とても眩しい。
私だけ知っている笑顔、だったらいいな。
おわり
六九三、誰よりも、ずっと
今日はお引越しです。
お付き合いしてそんなに経っていないけど、恋人と一緒に住むことにしました。
彼のお仕事はお医者さんだから、中々時間が取れない。
一緒にいる時間を確保したいとのことで一緒に住むことにした。
不安も少しあるけど、ちょっとだけワクワクしている。
私だって彼との時間を大切にしたいの。
これからも、ずっとね。
おわり
六九二、これからも、ずっと