仕事帰りに車を走らせていると、ちょうど夕日が海に吸い込まれているところだった。
車を止めて魅入りたいくらいきれいで、余所見をしないように視界に入れるだけに留めながら車を走らせていた。
周りを見ると、車も少なくて。
少しだけ端に寄せて車を止めて降りる。
私はスマホを取りだして、カメラにこの景色をおさめた。
変な話だが、私の恋人は太陽のように笑う人で、屈託のない笑顔が眩しくて、それでも優しくて、大好き。
そんな彼も少しアンニュイになる。
その姿が今みたいな夕日のようで、愛しさが胸から溢れたの。だって、いつだって太陽な人なのに私にだけ見せてくれる姿なんだよ?
やっぱり、彼が大好きだな。
おわり
六九一、沈む夕日
恋人の大きな瞳を見つめる。
俺に対して疑いを持たない無垢な瞳だ。
うーん、俺は聖人でもなければ、公に君に邪な感情を持ってもいい関係なんだけどな。
「どうかしましたか?」
彼女は疑いのない瞳で俺を見つめて首を傾げる。
俺だって健康な男子なんだけれどな。
おわり
六九〇、君の目を見つめると
空を見上げると空にはお星さまがキラキラしていた。
その輝きが羨ましくて、少し妬ましい。
同じような輝きが沢山あって、賑やかで友だちがいっぱいいるみたい。
キラキラ、キラキラ。
それに比べて私はひとり。
……ひとりは寂しくて。
寂しいのは、いやだな。
ここでは、私を見てくれる人はいない。
だからずっとひとりだった。
そうだ、ここから離れよう。
私を知っている人がいないところに行こう。
キラキラした星空と同じように誰かと一緒にいられるように。
おわり
六八九、星空の下で
どうしても視線が外せない。
あの子の声が聞こえると、すぐ振り返ってしまう。
一歩進むか、後ろにさがるか。
どうしよう。
そんなことを考えながら、声のする方を見つめた。
彼女と目が合って、パッと笑顔を見せてくれる。そして小さく手を振ってくれた。
たったそれだけで胸が暖かくなる。
俺も彼女に手を振り返して、その手を胸に添えた。
なんか満ち足りた気持ちになって、自然と顔が緩む。
なんか、これだけでいいや。
うん、それだけでいい。
おわり
六八八、それでいい
私の薬指に輝くアイスダイヤモンドの指輪。
それは恋人から貰った約束の指輪。
青が好きな私と彼。
それが縁になって今の関係になっていった。
一般的にはダイヤモンドの指輪だと思うのだけど、私たちを結んでくれた水色の指輪を贈ってくれた。
それを見ていると頬が緩んで仕方がない。
世界でひとつだけの宝物。
おわり
六八七、一つだけ