とある恋人たちの日常。

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2/9/2026, 1:05:08 PM

 
 何をきっかけにそう思ったのか忘れちゃったんだけど、『彼女に似合う花ってなんだろう』って思った。
 
 いちばん似合うのは白だと思うけど白だらけにしてしまうと、手向けの花みたいだな。
 
 そうじゃなくて!
 色が薄くて、青色系がいい。
 俺と彼女ふたりが好きな色。
 
 どうでもいいことなのに、考えたら止まらなくなってしまった。
 
 もちろん仕事の時は違うよ。
 仕事は仕事だからね。
 
 でも仕事から離れると、つい彼女に似合う花を探してしまう。
 
 そもそも青い花が難しいもんな。
 
 夕飯の買い出しで入ったスーパーで当たり前のように置いてある花束に目が行った。白い小さな花がふわふわと集まっている花。
 
 これって、かすみ草……かな。
 でも色が付いてる?
 
 かすみ草って白以外あったっけ?
 
 そんなことを考えつつ、色とりどりのかすみ草についてスマホで調べてみた。
 
 水色のかすみ草は本来存在している色ではなくて、白い花に色をつけているんだって。
 
 ついでに花言葉は『清い心』『無邪気』『誠実』。
 
 本当は思いやりに関する花言葉があるとさらに良かったんだけど、この三つでも十分だと思ってしまった。
 
 小さくて守りたくなる花。
 それだけの花束でも柔らかい存在感。
 
 自然な花じゃないんだけどさ。
 彼女に似合いそうだな。
 
 そう思ったら自然と顔が緩んでしまった。
 
 
 
おわり
 
 
 
六三四、花束
 
 
 

2/8/2026, 1:29:19 PM

 
「いらっしゃいませ、修理ですか?」
 
 お客さんにそう笑ってお出迎えする。
 
 車のお医者さん。
 そういうコンセプトで修理をしている。
 
 少し難しい修理も、ややこしいカスタムもお客さんにお渡しした後に見られる笑顔が大好き。
 
 気になっていた彼が車両を持ってきてくれる。
 
「ごめん、カスタムして欲しいー」
「はい、おまかせください!」
 
 誰にでも優しい人。
 だから気になる人のままで終わらせなきゃダメ。
 
「どうしたの、なんかいいことあった?」
「はい?」
「いや、凄くいい笑顔だからさ」
 
 ……あなたが来たからなんて言えるわけないよ。
 
 
 
おわり
 
 
 
六三三、スマイル
 
 
 

2/7/2026, 12:25:28 PM

 
「またね」
 
 そう言って彼女に手を振ってから車を出す。
 気になる彼女お店に行って、用事を済ませてから離れると小さい穴が空いたみたいだった。
 
 大切な人は作る気は無い。
 そんな気持ちとは裏腹に、彼女への気持ちが大きくなっている。でもそんな気持ちには見ないふりをしていた。
 
 息苦しさを覚えて車を端に寄せて停める。
 
 心の底にある気持ちを認めてしまえば楽になるのだろうか。
 
 車の窓にその気持ちを指で書く。
 ひらがなの二文字を。単純に。
 
 書きながらその気持ちが身体に浸透して行くような気がした。
 
 認めてしまえば、楽になるんだろうな。
 
 
 
おわり
 
 
 
六三二、どこにも書けないこと
 
 
 

2/6/2026, 12:53:55 PM

 
 時計の短い針がてっぺんを指している。
 本当は恋人を起きて待ってたいんだけど、明日の朝を考えると、もう眠らなきゃいけない。
 
 パジャマに着替えて冷たいベッドに潜り込む。
 シーンとした部屋は、独りであることを思い知らされた。
 
 独りは、得意ではない。
 それも彼と出会って変わったんだ。
 彼と一緒にいることで安心することができた。
 
 私は彼の枕を抱きしめて顔を埋める。
 彼の愛しい匂いに落ち着いてしまい……。
 
 いつの間にか意識を手放していた。
 
 
 
おわり
 
 
 
六三一、時計の針
 
 
 

2/5/2026, 1:02:45 PM

 
 目を覚ますと温かくて、もう一度眠りそうになる。
 夢を見ることもなく深くしっかり眠ることができた、と思う。
 暖房つけて寝ている訳じゃないし、なんでだろう?
 
 不思議に思いながら寝返りを打つと愛しい彼がそばにいてくれていた。
 ああ、彼の温もりと彼の愛しい匂いが安心させてくれたんだ。
 
 眠る時には彼はそばにいてくれなくて。
 それは仕事だから仕方がないんだけど、それでもちょっと寂しかったんだよ。
 
 それを言葉にするのは困らせることも知っているから、胸の奥にしまっておく、
 
 その分、一緒にいられる時に私なりの甘えをするんだ。
 
 そんなことを思いながら身体を起こそうとすると、それが出来なかった。
 重さを感じなかったから抱きしめられていないなーと思ったらパジャマをしっかり掴んでいた。
 
 恋人になって、一緒に住んでそれなりに経つのに、私を想ってくれる些細な優しさに〝大好き〟って思う気持ちが溢れてしまう。
 
 手が外せるか、パジャマを脱いだ方が早いか、考えながらも愛おしい彼の頬に唇を乗せた。
 
 
 
おわり
 
 
 
六三〇、溢れる気持ち
 
 
 

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