とある恋人たちの日常。

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1/9/2026, 12:16:12 PM

 
 時間に追われながら、ちょっとだけおめかしした。
 気になる彼からお出かけに誘われてしまい、普段通りにしたいと思いながらも、ちょっとだけ。
 
 ちょっとだけ。
 
 可愛くて惹かれて買った三日月のピアスをかける。
 首を横に振ると耳元が華やかになった。
 私は色素が薄いし、髪の毛も短い方だからイヤリングがワンポイントになって……。
 
 気合い入れ過ぎって思われちゃうかな。
 
 気になる存在だけど、まだお互いの〝特別〟じゃない。
 普段付けているピアスはもっとシンプルだしな。
 
 きっと彼は気がついてくれる。
 ほんの些細な違いを見つけて「凄くいいね」って言ってくれる人だから。
 
 私はもう一度鏡に写った自分を見つめる。
 
「うー……」
 
 変に意識させてギクシャクさせちゃうのは嫌だな。
 
 私は三日月のピアスを外して、いつものシンプルなやつに戻す。
 
 キミの出番は、もう少し待ってね。
 
 
 
おわり
 
 
 
六〇三、三日月
 
 
 

1/8/2026, 1:28:24 PM

 
 彼女の目がキラキラしている。
 眼前に広がるのは、同じくらいキラキラ輝く色とりどりの肉やら海鮮やらの豪華な食事。
 
「美味しそうです〜」
 
 世の中がお正月休みが終わってから、恋人と旅行に来た。
 俺の仕事が休みの日にこそ仕事量が多いもんだから、こんな時期外れに来ているわけだ。
 
 そして、夕飯は……このホテル自慢のブュッフェバイキング。
 
「一先ず取りに行く?」
「はい!!」
 
 瞳の星は輝きを増し、元気よく彼女はバイキングに足を向けた。
 
「バイキングは戦です!!」
 
 彼女が元気に言う背中を追いながら、俺も適度に食べ物を取りに行く。
 
 彼女はそれはもう沢山取って来るだろう。
 食べる姿が大好きだから、今回の旅行はバイキングを選んだんだよね。
 
 視線を向けると嬉しそうに色々な食材をお皿に積み上げている。
 
 バイキングだから何度も取りに行けばいいんだよと思いながら、積み上げている彼女に顔がニヤけてしまう。
 
 うん、いっぱい食べる君が好きだよ!
 
 
 
おわり
 
 
 
六〇二、色とりどり
 
 
 

1/7/2026, 1:53:25 PM

 
「ゆ〜きやこんこ、あられ〜やこんこ」
 
 恋人の愛らしい甘い声が白い世界に響き渡る。
 犬だったら全力でシッポがブンブン振っていそうなくらいのご機嫌具合だった。
 
 少し積もっているけれど、そんなの気にしないレベルで軽やかに足跡を付けながら歌っている。
 
 個人的にはおっちょこちょいな子だから足元に不安だけど……と見ていると、
 
「あっ」
「あ」
 
 ズベシャッと顔面から転んでいた。
 
 雪が少し深くて良かった……。
 
 そんなことを思いながら、起き上がった彼女は涙目で俺を捉える。
 
「雪の上は滑るに決まっているでしょー」
「だってぇ……」
 
 俺はそう言いながら、彼女に手を伸ばして立ち上がらせた。
 身体中にくっついた雪をはらいながら、怪我をしていないか軽く確認する。
 
「痛いところはある?」
 
 彼女は両手両足を軽く動かして、ふわりと微笑んだ。
 
「大丈夫ですー!」
 
 俺は彼女に手を差し伸べた。
 
「また転ばないように、ね」
 
 彼女は嬉しそうに笑いながら俺の手を取る。
 
「はい、転ぶなら一緒に!」
 
 無垢な笑顔で言うけれど、俺はもう転ばせないからね。
 
 
 
おわり
 
 
 
六〇一、雪
 
 
 

1/6/2026, 1:15:18 PM

 
「今年もよろしくね」
「はい。これからも、よろしくお願いします!」
 
 彼女は迷わずに〝これからも〟と言ってくれてビックリした。
 
 もちろん、この先のことは考えている。
 そういう相手だ。
 でも、彼女から当たり前のように〝これからも〟という言葉が出てきて凄く嬉しかった。

 そうだね。
 これからも、君と一緒に。
 
 
 
おわり
 
 
 
六〇〇、君と一緒に
 
 
 

1/5/2026, 2:39:43 PM

 
 私の恋人は救急隊でお仕事をしています。
 年末年始は毎年彼が仕事をしている。
 そんな年末年始のお仕事が一段落したので、ふたりで日の出を見るために出かけた。
 
 これは去年も一緒で、同じ場所じゃないけれど日の出を楽しめる宿を事前に予約しておいたんだ。
 
「……ちゃん、起きて」
 
 身体を揺さぶられて目を覚ます。
 大好きな人の声は心地よくてもう一度意識を手放そうとしてしまう。
 
「起ーきーて、朝日見らんなくなっちゃうよ」
 
 強い声が耳元から聞こえてから、一気に目を覚ます。
 
 そうだ!!
 日の出を見ようと話していたんだ。
 
 私は勢いよく身体を起こすと、苦笑いして上着をかけてくれる。
 
「おはよ」
「おはようございます」
 
 優しく微笑んでくれる彼に胸が暖かくなった。
 時計を見ると、まだ日の出にはちょっとだけ早い時間。
 でもこれ以上遅くなると、見逃してしまいそうだった。
 
 私は急いで着替えて、彼の隣に立つ。
 カーテンを開けた窓から少しずつ光が少しずつ地平線から上がってくる。
 
 冬の空は空気が住んでいて美しいという言葉がとてもあっていた。
 
 手のひらに暖かいものが包まれる。私は隣にいる彼を見上げた。
 優しい瞳が私を見つめてくれる。
 
「今年もよろしくね」
「はい。これからも、よろしくお願いします!」
 
 ほんの少し、彼に驚きの色が見えたけれど、直ぐに眩い笑顔を見せてくれた。
 
 
 
おわり
 
 
 
五九九、冬晴れ
 
 
 

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