月影

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6/20/2025, 9:48:00 AM

雨の音、雨の香り、気づけば視界が滲み霞む。
また私は、声を押し殺して泣いた。
重く垂れ下がる雨雲。雨の香り。涙の跡をまた涙が伝い、濡れる地面に落ちた――。

6/17/2025, 10:45:06 AM

私は今日も手紙を書く。
コリウスの便箋に入れて、貴方が眠る場所に置く。
届かないのは分かっているけど、届かない想いを手紙に認める。

6/15/2025, 1:08:21 PM

朝起きると、置き手紙と共にマグカップが置かれていた。
 さよなら、紙面にはそんな一言だけが書かれている。
 僕はカーテンに歩み寄り、さっと開けた。空は分厚い雪雲が占めている。ベランダに置かれた洗濯機の上や手摺に雪が積もっていた。
 昨日のあの人の悲しみに満ちた顔、微かに聞こえたあの人の愛してるの言葉。僕も愛している。今でも。
 だけど。
手を離したのは、先に手を離したのは、たぶんあの人じゃなくて。
 引き止める事は出来たはずなのに、しなかった、できなかった。手を伸ばせなかった、僕だ――。
僕はマグカップを手に取る。マグカップには黒いチューリップの柄がデザインされている。
――僕は忘れない、この日の雪とあの人を、たとえあの人に忘れてと言われても、僕は忘れない。
雪は白く、ゆっくりと音もなく降り積もる。

6/14/2025, 3:48:10 PM

もしも今の私を見たら君はなんて言うだろう。
 ビルの屋上は冷たい、風や雨に当たっているからかもしれない。いや、違う。体が冷たいんじゃなくて胸が冷たく感じる。心はあの日のまま、ただただもう会えない君のことばかり。
 もう耐えられない。こんな世界じゃ、生きてけない。
 私は手摺に手を掛ける。後はもうこのまま身を乗り出すだけ。
 やっと、これで君の元へ行ける。そっと目を閉じた。
もしも君が此処に居たら、なんて言うだろう。






6/13/2025, 11:45:52 PM

奏でる、生きる為に。
奏でる、大切な夢の為に。
奏でる、心憂い記憶を忘れる為に。
奏でる、大切な時間を過ごせるように。
 あと何回、何十回、何千回、一緒に奏で続けられるだろう。道は続く、これからも君の隣に居られますように。
奏で続ける、君と共にメロディを。終わりが来るまで――。

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