𖤐·̩͙ 太陽
「太陽ってなんで直視しちゃいけないの?」
「そ、そんなん目が失明するからに決まってんじゃ
ん。小学校で習ったでしょ」
「へぇ〜そうだっけ?
そういえばなんでさっきから目逸らしてんの?」
あぁもう!
なんでコイツはこんな鈍感なんだよ!!
いやまぁさっきので理解しろとも言わないけどさ!
太陽を直視出来ない理由、さっき説明しただろ!?
私の恋心に気づきもしない
きっと直視したら私は失明するんじゃないかな
だって、私の太陽だから
𖤐·̩͙ 目が覚めるまでに
「…なぁ、まだ寝てんのか?」
医者の人曰く、コイツはいつ目が覚めてもおかしくないらしい
「全国取んじゃねぇのかよッ…」
部活の全国大会目前
アイツは事故にあって
昏睡状態になった
アイツはいつも明るくて
どんな練習も爽やかな顔して
スタメン取って、エースやって
1番努力してたのに
なのに神様は味方してくれない
「早く起きろよ…
大会もう来週だぜ?」
手を握ってみても
大声で呼び掛けても
ピクリともしない
「ったく…しょうがねぇヤツだなお前は
目ぇ覚めるまでに 代わりに全国取ってきてやんよ
俺がエースって注目されて、お前追い越しても知ら
ねぇぞ?」
果報は寝て待てって言うし
大会が終わる頃には目も覚めるだろう
「じゃーな!いい報告待っとけよ!」
それだけ言うと俺は病室を出た
𖤐·̩͙ 病室
ザーザーという雨の音で目が覚めた
「…今日は雨か。
じゃあみんな来ないのかな…」
交通事故に逢い入院すること2週間
心優しき友人達はほぼ毎日お見舞いに来てくれる
…だが、雨の日は例外だ
雨の日はきっとみんな外に出たくないんだと思う
「おはようございます気分はどうですか?」
「先生。おはようございます」
「おはようございます。朝食を持って来ましたよ」
病院食は味が薄くて
みんなが持ってきてくれるようなお菓子が恋しくなる
「先生。今日は雨だからみんな来ないかな?」
「どうでしょうか…」
どうやら先生を困らせてしまったようだ
先生は仕事のため一旦病室から出ていった
朝食を食べ終えると
面会を出来る時刻を過ぎた
「………誰も来ないかな…」
するといきなりガラッと病室のドアが開き
「お見舞い!来たよ!」
「え…びしょ濡れじゃん!?なんで来たの?」
「だって〜、会いたかったんだもん。独りじゃ寂しいでしょ?」
「朝食食べ終わりましたか〜?
……お友達ですか?」
「はいっ!」
「と、とにかく、タオル持ってくるので…」
先生はそれだけ言うと病室から出ていった
すぐに病室に戻ってきて
「どうぞ」
「ありがとうございまーす」
「全く〜。こんな雨なのに〜」
「えへへー」
起きた時はなんだか天気も心も雨模様だったけど
友達が来てくれて、心はすっかり晴れた
普段は静かな病室に
笑い声が響いた
☪·̩͙明日、もし晴れたら
「ねーねー、明日晴れたらさぁ
ゲーセン行こうよぉ!」
「えぇー?勉強は?」
「いーのいーの、私遊びたい!」
確かに彼女は勉強出来るし…
問題ないか
彼女は私の数少ない友人だ
いつも明るくて、周りに人がいる
なのにこんな私とも仲良くしてくれる
「他に誰か誘うの?」
「んー誘わない。2人で行こ?」
私に声をかけてくれる
そんな彼女が大好きだった
次の日、待ち合わせの時間になっても彼女は来なかった
まぁ遅刻するのは何時もの事
とりあえず待つことにした
すると電話が掛かってきた
彼女からだ
「もしもし?もう集合時間だよ?」
彼女からの返信はところどころおかしい
とゆうかなんか苦しそう
「……えてる?……めん…わ…し……も…ダメ…みた…」
「ち、ちょっと?何があったの?ねぇ!返事して!?」
それ以上彼女からの返事はない
結局、彼女は来なかった
その後、彼女の母親から電話が掛かって来た
私に電話した時
実は事故にあってて
私に電話して命を落としたそう
「嘘つき…晴れたらって言ったじゃん…晴れたよ?」
☪·̩͙澄んだ瞳
貴方のその
澄んだ瞳に見つめられると
私の瞳まで
澄んだような気がしてしまう
でも実際は
私の瞳には
汚いものばかり写す
貴方のその
澄んだ瞳を守りたい
だから私は今日も
汚いものばかり瞳に写す