内藤晴人

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2/24/2025, 5:41:28 PM

「はい、誕生日プレゼント」
 そう言って君が押し付けてきたのは、一輪の花だった。
 しかも花屋で売っているような名前のある立派なものではなくて、道端に咲いている雑草の花。
 けれど、どんなに高価な物をもらうよりも嬉しかったんだ。
 あの花は押し花になって、今も大切にしているよ。

2/23/2025, 3:08:08 PM

 この世界に魔法があったなら、人間はとうの昔に滅んでしまっただろう。
 今の世の中を見ていると、なぜだろうかそう思わずにはいられない。
 魔法も科学も、使い方を間違えれば毒にしかならないのだから。

2/22/2025, 2:08:52 PM

 君と見た虹は、どこまでも果てしなく遠くまで続いていた。

「さあ、行こう」

 君は、こちらに向けて手を差し出す。
 ためらいながらそれを取ると、君は虹の上に足を踏み出した。

「怖がらないで。大丈夫」

 笑いながら、君は言う。
 引っ張られるように、虹の上に立つ。
 数歩歩いてみても、それは崩れる気配などない。
 どれくらい歩いただろうか、おっかなびっくり見下ろしてみる。
 と、足元には自分が暮らしている街が広がっている。

 これは一体、どういうことなんだろう。

 疑問に思った途端虹の橋は霧散し、君の姿も見えなくなった。
 落ちていく感覚に思わず悲鳴を上げる。

 気がついた自分の体は、無数の管に繋がれていた。

「先生! 患者が意識を取り戻しました!」

 そんな声が、耳に飛び込んできた。

2/21/2025, 5:14:31 PM

 年に一度、夜空を駆けるのが仕事のあの人の年収は、一体どのくらいなのだろうか。
 危険手当、深夜勤務手当なども含めると、相当のものなのだろうことは、想像に固くない。

2/20/2025, 5:18:34 PM


 ずっとあなたを想ってきました。
 届かないかもしれないけれど、想っていました。
 私のひそかな想いに気づかなくても構わない。
 でも、あなたを想うことを許してください。

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