あの日定期券を落として焦っていた僕。
後ろから走って追いかけて届けてくれた優しい君。
そして、今がある。
タイムマシーンに乗って「よくぞあの時定期券を落とした!」と過去の自分を褒め称えたいくらい。
君に出会えて、本当によかった。
240123 タイムマシーン
「お兄ちゃん、しあわせそうだったね。」
「まあな。」
式が終わりひと段落着いた時に言われた妹からのひとことを噛み締める。
一生に一度しかない特別な夜。
幸せだ。
240121 特別な夜
「はいよっ」
「お兄ちゃん、ありがとう!」
「ここらへん車多いから気つけてなー。」
「うん!ありがと!」
足元に転がってきたボールを持ち主の子に返すあなた。
昔から子どもが好きだったが今もやはり好きなんだなぁと実感する。
それとともに「自分といると子どもの顔を拝むことはできないがいいのだろうか」とあなたとともに生きることを決めた時から幾度も考えていることが頭に過る。
思考がどんどん暗くなり海の底に沈んでしまったのように息ができなくなる。
「…なぁ、自分今変なこと考えてるやろ?」
「へっ?」
「わかりやすすぎ。」
「……。」
「何度も言ってるやろ?俺はお前といられることが一番の幸せやから。」
「…うん、ごめん。」
「また不安になったら言ってな?何度でも愛囁いたるから!」
「ふふっ。わかった。」
度々海の底へ沈むめんどくさい自分を救い上げてくれるあなたが大好きだ。
240120 海の底
雪だの雨だの関係なしに君に会いたくて車を走らせたあの頃が懐かしい。
今はそんなことしなくても君に会える。
一緒に住めるってこんなにも嬉しいんだな。
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「僕と一生を添い遂げてくれませんか?」
「もちろん!」
240119 君に会いたくて
「あけてはだめよ。」
そう昔母に言われた書斎の引き出しがある。
彼女が亡くなって遺品整理をしている際に思い出した。
どのみち整理しなければならないのだから、と罪悪感を拭うように開ける。
そこには母の日記があった。
開いてみると僕が生まれた日から彼女が亡くなる前日までの思いの丈が綴られており、「生まれてきてくれてありがとう」という言葉が3日に1回は書かれていた。
涙が止まらない。
閉ざされた引き出しもとい母の閉ざされた日記は、あたたか過ぎた。
240118 閉ざされた日記