「はいよっ」
「お兄ちゃん、ありがとう!」
「ここらへん車多いから気つけてなー。」
「うん!ありがと!」
足元に転がってきたボールを持ち主の子に返すあなた。
昔から子どもが好きだったが今もやはり好きなんだなぁと実感する。
それとともに「自分といると子どもの顔を拝むことはできないがいいのだろうか」とあなたとともに生きることを決めた時から幾度も考えていることが頭に過る。
思考がどんどん暗くなり海の底に沈んでしまったのように息ができなくなる。
「…なぁ、自分今変なこと考えてるやろ?」
「へっ?」
「わかりやすすぎ。」
「……。」
「何度も言ってるやろ?俺はお前といられることが一番の幸せやから。」
「…うん、ごめん。」
「また不安になったら言ってな?何度でも愛囁いたるから!」
「ふふっ。わかった。」
度々海の底へ沈むめんどくさい自分を救い上げてくれるあなたが大好きだ。
240120 海の底
1/20/2024, 12:36:19 PM