奇麗

Open App
7/26/2023, 12:14:27 PM

誰かのためになるならば僕は何でもするのかと聞かれた。

誰かのためって何だ?

例えば僕が誰か特定の人のために行動すれば、
それはその人のためになったことになる?


僕が無意識に行ったことが
僕の知らない誰かのためになることを指すのだろうか。

じゃあもしも、
僕がペーパーナイフをたまたま購入して
たまたま僕にひったくり犯が襲いかかってきて
たまたま持っていたペーパーナイフで抵抗しようとして
たまたまひったくり犯がそれを奪うことができて
たまたまそれが僕の目にのめり込んで
たまたまひったくり犯が逃走することができたら
それは彼のためになるのだろうか。

だとしたら僕は彼に貢献したことになるというわけか。

でも彼はそれに対して、
たまたま彼のポッケに入っていたカッターで
たまたまそれに手が届いた僕に
たまたま逃走経路に先回りしていた僕に
たまたま胸にカッターを押し込まれて
たまたまそれが胸に入ってしまった彼は
たまたま膝を地につけるしかなくなったのだからそれはつまり、、、、

彼は僕に貢献した。

ということは僕らは誰かのために行動したと。

そういうことになるのか。

それが誰かのためにということか。

何だ簡単。

僕ってば天災。

完全に理解したわ。

7/25/2023, 11:48:37 AM

鳥かごがある。

いや、あるのだろう。

右手の感覚を頼りに真っ暗な世界の輪郭をたどる。

ひんやりとしたものが指に触れる。

上へ指をすべらせる。

真っ直ぐだった輪郭が曲線を描き出す。

左手でも触れてみる。

両手を下から上へすべらせる。

曲線を描き終わったところで右手と左手がぶつかった。

やはりこれは鳥かごだろうか。

鳥のさえずりなど聞こえはしなかったが。

だとしたらこれはただのかごだなぁ。

残念。

つまらないことに時間を使ってしまったな〜。

かごを抱いて水浸しの地面に倒れ込み、触れてみる。

冷たくはない。

生ぬるい。

かごに絡みついていた腕を解く。

かごを押しのけて体を起こす。

瞼を上げ、かごの方を見る。

そっちは毒々しい闇が広がっているだけだった。

鳥は入っていたのかなぁ。

仕方がない、確かめに行くか。

あのかごに扉なんかなかったように思えた。

もし入っていたとして

それはもう腐り、骨になり、隙間からこぼれ落ちているだろうが。

少し前まで昨日よりも明るいところを求めていたのに

今の僕にはどちらへ行けば明るいのかもわからない。

だから今日も好奇心に身をゆだねる。

7/24/2023, 1:08:45 PM

友情が沈んでゆく。

折りたたんでいる指を開けばまだ届く。

腕を伸ばせばまだ届く。

肩の関節を外せばまだ届く。

ふと考えた。

友情というのは肩の関節を外してまで掴みたいか?

むしろ面倒なだけではないか?

右手から友情がまた一つこぼれた。

こぼれるほどあるのだ。

左手にはまだ友情が4つほど残っている。

うん、4つもあれば十分だろう。

むしろ1つで十分な気もするが。

ストックしておいて損はないだろうし。

右手の友情を右手ごと沈めた。

奇麗な奇麗な泡があがった。

7/23/2023, 2:17:03 PM

花咲いて

気づけば君は

崩れ行く


花咲いて

気づけば僕は

墜ちてゆく


誰も僕らを見ていない

このまま墜ちて

君のもとへ


なんて言いはしない

手を差し伸べることもしない

君の服が破れようが

擦り傷だらけになろうが僕はかまわないからさ

さぁ、這ってでもここへ来なよ

君は助けたら怒るだろう?

『偽善者やろう』って


そうだよ、問題ある?

でもほんとは助けてほしいんでしょ?


ひねくれた僕にかまってる暇があったら

叫べよ

深海まで届くくらいの大声でさ

『正気かクソ野郎』って

7/23/2023, 6:06:26 AM

もしもタイムマシンがあったなら、
僕はそれを壊すだろう。

僕以外の視界に入る前に破壊する。

そんなものは必要ないからだ。

過去を見てくる?
過去を変える?

未来を見てくる?
未来を変える?

見てきてどうする。

変えてどうする。

変わるのはただの記録だ。

僕はいい人ではないし、
天邪鬼かもしれない。

人と同じことをするのは好きじゃない。

だからこんな言葉をぐだぐだと並べているのだろうか。

本当は変えたい記録も、
見たい記録も、
あったかもしれない。

でも別に変えようが見ようが今の自分は変わらない。

今生きているのは僕だ。

僕が生きているのは今だ。

過去も未来も関係ない。

今僕の後ろにある未完成のタイムマシンは、
僕が完成させ、
その瞬間に僕が破壊するのだろう。

タイムマシンの有無も、
過去も未来も、
どうだっていい。

僕はいつ死んだってかまわない。

そういうふうに
過去のことも、
未来のことも、
そう深く考えずにふらふら生きている。

そんな僕にタイムマシンは必要ない。

タイムマシンをつくっているのはただの暇つぶしだ。

そして自分の命をあまり大切に意識できていない僕は、
今日も明日も生きなければならないのだろう。

それが僕が生まれてきた意味で

神様にできる唯一の感謝だろう。

Next