奇麗

Open App
7/23/2023, 2:17:03 PM

花咲いて

気づけば君は

崩れ行く


花咲いて

気づけば僕は

墜ちてゆく


誰も僕らを見ていない

このまま墜ちて

君のもとへ


なんて言いはしない

手を差し伸べることもしない

君の服が破れようが

擦り傷だらけになろうが僕はかまわないからさ

さぁ、這ってでもここへ来なよ

君は助けたら怒るだろう?

『偽善者やろう』って


そうだよ、問題ある?

でもほんとは助けてほしいんでしょ?


ひねくれた僕にかまってる暇があったら

叫べよ

深海まで届くくらいの大声でさぁ

『正気かクソ野郎』って

7/23/2023, 6:06:26 AM

もしもタイムマシンがあったなら、
僕はそれを壊すだろう。

僕以外の視界に入る前に破壊する。

そんなものは必要ないからだ。

過去を見てくる?
過去を変える?

未来を見てくる?
未来を変える?

見てきてどうする。

変えてどうする。

変わるのはただの記録だ。

僕はいい人ではないし、
天邪鬼かもしれない。

人と同じことをするのは好きじゃない。

だからこんな言葉をぐだぐだと並べているのだろうか。

本当は変えたい記録も、
見たい記録も、
あったかもしれない。

でも別に変えようが見ようが今の自分は変わらない。

今生きているのは僕だ。

僕が生きているのは今だ。

過去も未来も関係ない。

今僕の後ろにある未完成のタイムマシンは、
僕が完成させ、
その瞬間に僕が破壊するのだろう。

タイムマシンの有無も、
過去も未来も、
どうだっていい。

僕はいつ死んだってかまわない。

そういうふうに
過去のことも、
未来のことも、
そう深く考えずにふらふら生きている。

そんな僕にタイムマシンは必要ない。

タイムマシンをつくっているのはただの暇つぶしだ。

そして自分の命をあまり大切に意識できていない僕は、
今日も明日も生きなければならないのだろう。

それが僕が生まれてきた意味で

神様にできる唯一の感謝だろう。

7/21/2023, 2:36:17 PM

今一番欲しいもの

僕が今欲しいものを貴方に伝えるから聞いてほしい

え?

いいけどその望みを叶えられるかはわからないって?

良いよ

別にいいの

僕が勝手に手に入れる

じゃあまずね

話しやすい環境をつくります

この部屋の窓を開けて,,,

う~

いい風だねぇ~

このまま風と混ざっちゃいそうだよ

それから,,,

あ!

窓枠が汚れてるね

拭っておいてくれる?

僕はドアを綺麗にするね



わぁ,,,

綺麗になったねぇ

こうやって見ると白一色のシンプルな部屋だねぇ!

イスも白いし

ドアと窓とイスしかない

さてと、じゃあそろそろ

あ、そこのイス座っていいよ!

え?

ひとつしかないのに申し訳ないって?

良いんだよ、座らなくて僕が損するわけじゃないし



それじゃあ、話すね

僕が今一番欲しいのはねぇ,,,

もう手に入ってるんだよ!

そうだよ

僕が欲しかったのはシンプルな空間に人がひとり

座ってる空間なんだ

うん、見ててとても心地良いねぇ


え,,,意味がわからないって?

どういうことかなぁ

君がわかってないのは僕が言ってることじゃなくて

君がなぜここにいるのかと

君がなぜ白一色のキャミソールワンピースを着て僕と話しているかじゃないの?

違う?

何で動けないのって?

僕がつくった創造物が勝手に動いちゃだめさ

動くなんて大問題だよ

僕は毎日ここに来て

窓を開けて

風と混ざりあって

窓とドアの汚れを拭って

君を眺めながらこの空間を楽しみたいんだよ

僕は綺麗事言えるような生き物じゃないからさ

もういっそ自分のしたいようにするって決めたんだ

卒業文集にも書いたよ

なに、純粋な好奇心の延長さ!!!!

7/20/2023, 11:22:34 AM

「私の名前なんていうか知ってる?」

彼は僕に問うた。
君の純美な唇からこぼれた気泡は上へとあがってく。


知らないよ
知る必要もないだろう?


僕は問うた。

「そうかなぁ」


そうだよ
君と僕は水たまりと空の境界で偶然出会っただけの関係だろう?


もう一度僕は問うた。

「でも私達、問を交えた仲だろう?」

彼は問うた。

彼の短髪がふわりと風になびいた。

「知らない人にはついて行っちゃだめだ。
 でも私達はもう知らない人同士じゃない、そうだろう?」

もう一度彼は問うた。

彼の純美な唇から気泡がこぼれる。

くだらないことすぎて僕の顔からは笑みがこぼれたことだろう。

そして今日は僕がくだらないことを言う彼に惹かれた日になるのだろう。


くだらない君はとても純粋で美しいね

7/20/2023, 8:43:19 AM

視線の先には「綺麗」があった。
いつだって僕の横に居てくれる「綺麗」が。
僕は「綺麗」が好きだった。
透きとおっているその純粋さも、日に反射して煌めくその好奇心も。

いつしか「綺麗」はいなくなった。
僕の目の前から姿を消した。
気付いたときには遅いとはこのことだ。
悪かったのは僕だろうか。
それとも自分の存在価値を僕に伝えなかった「綺麗」だろうか。
多分、「綺麗」は戻ってこない。

でも僕はまだくたばらない。
「綺麗」を溶かした僕も
僕の言いなりになった「綺麗」も
僕らはいつだって唯一無二の存在だ。
そう、「綺麗」は死んでない。
僕の視界からいなくなっただけだ。
僕の中に「綺麗」は溶けている。
もう取繕えない程に残酷な姿でも
「綺麗」は僕の中にちゃんといるのだ。

あぁ、
「綺麗」が溶けていた自分の体を再生しようと
僕ともう一度融合しようとしている音が聞こえる。
残念だったね「綺麗」。
君はもう僕の中から出られない。
恨めばいい、僕を。
君は謙虚だ。
君は僕を恨めやしない。
君は気づいているはずだから。
僕が「綺麗」を愛していることに。
いっそ恨んでほしいよ、僕は。
そうすれば僕は眼の前のガラスに映る「奇麗」な僕を快く受け入れられるのに。

君は優しいんだね。
僕を抱きしめる必要なんかないんだよ。
体の中から抱きしめられてる。
この感じ嫌いじゃない。
僕らにしかわからないこの感覚。
愛してるなんて言わないで。
僕も君を愛してる。
だけど僕は君を当たり前のものだと思ってしまっていた。
僕の罪は重いね。

あれれ。
もう完全に溶けちゃったかぁ。
僕はもう「奇麗」になったんだね。
「奇麗」な僕になる前に言いたかったよ。

「    」

Next