「私の名前なんていうか知ってる?」
彼は僕に問うた。
君の純美な唇からこぼれた気泡は上へとあがってく。
知らないよ
知る必要もないだろう?
僕は問うた。
「そうかなぁ」
そうだよ
君と僕は水たまりと空の境界で偶然出会っただけの関係だろう?
もう一度僕は問うた。
「でも私達、問を交えた仲だろう?」
彼は問うた。
彼の短髪がふわりと風になびいた。
「知らない人にはついて行っちゃだめだ。
でも私達はもう知らない人同士じゃない、そうだろう?」
もう一度彼は問うた。
彼の純美な唇から気泡がこぼれる。
くだらないことすぎて僕の顔からは笑みがこぼれたことだろう。
そして今日は僕がくだらないことを言う彼に惹かれた日になるのだろう。
くだらない君はとても純粋で美しいね
7/20/2023, 11:22:34 AM