途中書きです。すみません。
前に「脳裏」というテーマで書いた春風優里と一ノ瀬蓮の話のつづきを「あの夢のつづきを」で書きたいと思っています。
「脳裏」(再投稿)
今いいところだったのに。
クライマックスで目を覚ます。
夢の続きが気になってもう一度寝てみても、すっかり頭が冴えてしまって同じ深さに至れない。
そうこうしてるうちに夢の内容も忘れてしまって、何がそんなに大事だったのか分からなくなる。
ただなんとなく心に引っかかったまま、制服の袖に腕を通す。いつもより遅く家を出る。間に合うように少しだけ早足で歩く。
橋を渡る。
駅の改札を通る。
満員電車で押しつぶされる。
友達と会う。
朝礼5分前の鐘が鳴る。
なんとなく既視感。
今日2回目の登校みたいで倦怠感。
普段人が少なくて静かなクラスも、遅刻ギリギリの今日は騒がしい。
今日、なんか提出物あったっけ?
英作文のやつ、今日だよー!
えっ、マジ?爆速で片付ける。
朝礼の号令が掛かる。
えー、このクラスに新しく転校生がくることが決まった。
さっきまで賑やかだった教室が一気に静まり返る。
春風優里です。
皆からはハルって呼ばれてるのでハルで。
趣味は音楽を聴くこと。
よろしくお願いします。
慣れているのか淡々とした挨拶が続く。
今朝の眠りが浅かったのか瞼が重く、転校生の顔にモヤがかかったようにはっきりと見えない。
ちょうど右端の席が空いてるから、春風はそこに座るように。隣の一ノ瀬は春風をサポートしてやってくれ。
えっ、俺?
今、呼ばれた?
春風は俺に小さく「よろしく」と言って、席に着いた。
それからというもの、俺たちは良き隣人の関係を保っていた。
近くもなく、遠くもなく。
毎日朝「はよー」と挨拶して、たまに互いに共通の話題である好きな音楽の話をする。
春風はあまりクラスと関わらず、ひとりで静かに過ごす方が好きなのか、ずっと目を閉じて音楽を聴いている。
かと思えば、クラスメイトが集まって盛り上がっているのを遠い目で見つめていたり。
ある時、屋上で春風を見つけた。
春風はこの時も音楽を聴いていた。
俺は静かに春風に近づいて、肩を軽く叩く。
何の曲聴いてるの?と聞こうとしたけど、聞けなかった。
俺に驚いたように振り向いた春風の目が赤く腫れていたから。
春風はすぐに顔を背けてしまった。
俺は春風から少し離れて座った。
どうしてそんなにしてくれるの?
長い沈黙の後、春風は俺に聞いた。
クラスに転校してきたばかりでまだクラスメイトの顔さえ覚えてなかった時に、校外学習で班に誘ってくれた。
じゃんけんで負けてリレー競技になって、ただでさえ足が遅いのに、体育祭本番で私がこけたときにバトンゾーンを超えてバトンを受け取りに来てくれた。
音楽、ほんとはそんなに好きでも無かったのに私の好きな曲を聴いてくれた。
俺が特に何も返さないでいると、春風はまた話し始めた。
私の家は転勤族で、小学生の頃から今までも何回も転校してて、長いと1年、短いと3ヶ月でまた学校が変わる。
最初はちゃんと友達がいたけど、新しい学校に変わるたび、友達を作ってもまた離れて疎遠になるし、ひとりの方が楽だ、私はひとりでも平気だと思うようになった。
でも違った。
もう、ひとりは嫌だ。離れたくないよぉ。
おい、そんな顔するなよ。
大丈夫。俺は離れないから。
春風は笑ってる方がいい。
今いいところだったのに。
クライマックスで目を覚ます。
夢の続きが気になってもう一度寝てみても、すっかり頭が冴えてしまって同じ深さに至れない。
そうこうしてるうちに夢の内容も忘れてしまって、何がそんなに大事だったのか分からなくなる。
聴き覚えのある音楽。
やっとすっきり視界が晴れた気がした。
目玉焼きが焼ける音。
コーヒーの匂い。
俺は急いで台所に向かう。
―ハル
パリンと皿が割れる。
「レンくん?」震えた声が静寂に響く。
―ハル
春風が勢いよく俺に抱きついてきた。
レンくん、ハルだよ。わかる?
思い出した?
思い出すのが遅いんだからぁ、もう。
泣きながら笑う春風が俺をポカポカ叩く。
おい、そんな顔するなよ。
もうずっと覚えているから。
俺、一ノ瀬蓮は記憶喪失だった。
特に春風の記憶の一切を失くしていたそうだ。
結婚記念に旅行に出かけていた俺と春風は交通事故に遭った。
春風は幸い軽傷で済んだが、春風を庇った俺はかなりの重傷だったそうだ。
病院で目が覚めたとき、手を握っていた春風の手を振りほどいて「誰ですか?」と警戒するように見たことで、記憶喪失だと発覚した。
結婚して同棲していた俺をひとまず春風がみることになった。
俺の両親から俺の面倒をみると申し出があったが、春風は一緒に生活していれば思い出すこともあるかもしれないからと頑として譲らなかったらしい。
俺は一応両親と春風から説明を受けて、記憶喪失であること、春風は俺の妻であることを説明された。
でも記憶の穴は埋められなくて、俺はずっと春風のことを春風さんと呼んでいた。
事故から1年が経った今日。
俺はやっと思い出すことができた。
その後、俺が記憶喪失のせいで延期されていた結婚式も無事に挙げることができた。
一生結婚式挙げれないかもと思っていた春風は泣きながら笑っていた。
今でも、春風の泣き顔が脳裏を過ぎる。
おい、そんな顔するなよ。
俺が一生笑わせてやるから。
やっぱり春風は笑っている方がいい。
そんなハルが俺は大好きだ。
「あの夢のつづきを」
今いいところだったのに。
クライマックスで目を覚ます。
夢の続きが気になってもう一度寝てみても、すっかり頭が冴えてしまって同じ深さに至れない。
そうこうしてるうちに夢の内容も忘れてしまって、何がそんなに大事だったのか分からなくなる。
ただなんとなく心に引っかかったまま、新しい制服の袖に腕を通す。
未開封の段ボールが積み上がっているのを見て今日からまた新しい学校に通うことを確認すると制服のままベッドに倒れ込む。
まだ学校に行ってないのにもう疲れた。
途中書きです。すみません。
この冬は体調に気をつけて暖かくして受験を一緒に乗り切ろうね、という想いを込めて、クリスマスの日、友達に色違いでお揃いの靴下をプレゼントしたら、年明けにお年玉だよって言って可愛い柄がいろいろ入ったカイロをくれました。
使うのがもったいないくらいどれも素敵な柄のカイロで、受験勉強で忙しい中貴重な時間を使ってプレゼントを考えてくれたことを思うと、まだ使っていないのに心がぽかぽかしてきます。
紅茶やココアなどの温かい飲み物、熱々のお風呂、エアコンやホットカーペットなどの暖房器具。
これらすべてあたたかくて、冬を越すにはなくてはならないものだけれど。
ちょっとした優しさや思いやりが一番、心の芯の部分からじんわりあたためてくれるように思いました。
「あたたかいね」
電車内でのはっとさせられた心温まる出来事を書く予定です。
途中書きです。すみません。
…どうしよう。
私が書いてる未発表の長編小説に「未来への鍵」と似たようなものが出てくるので、新しく書くとしたら全く別の世界線の話になると思います。
「星のかけら」ももともと星を売る人の話を書こうかな〜って思っていたところでちょうどそのテーマが来たので驚きました。
私の頭の中を見透かされてる気がします。
「未来への鍵」
たくさんあった未来への鍵は全部人にあげちゃった。
唯一無二の過去への鍵があれば十分。
いつまでも私は過去に引きこもっている。
でも、ある時ね。
誰かが私を過去から未来へ連れ出したんだ。
最初は生きる希望を見いだせなかった未来もだんだんと仲間ができて、色鮮やかになっていった。
転換の時は訪れる。
怖くて踏み出せなかった未来は今では素敵な今になった。
だけど、もうすぐこれは過去になる。
またうまくいくとは限らない。
途中書きです。すみません。
「星のかけら」
―新月の夜
星を売るため、ひさしぶりに故郷である地球に行く。
宇宙開発が活発化し、人間が地球以外の星で生きられるようになった今。
地球の方がまだまだ栄えているが、年々どの星も人口が増加傾向にあり、特に火星は人気の星で近い将来地球の人口を追い抜かすだろうと言われている。
私は宇宙開発担当として人類にとって住みやすい環境づくりをテーマに日々仕事に取り組んでいたが、長年の夢を叶えるべく会社を辞め、現在は自分で製作した星を売っている。
途中書きです。すみません。
「Ring Ring…」
ベルを鳴らすと現れる私だけの妖精さん。
小学生の頃、毎日ベルを鳴らしてはいろんなことを相談していた。
友達と喧嘩したとか。
好きな人ができたとか。
先生に怒られたとか。
ベルを鳴らすとすぐに現れてくれた。
クラスメイトの目から見ると、突然ベルを鳴らしたり、誰もいないところで誰かに話しかけていたりするおかしな子だったと思うけど、私に妖精さんが見えることは私の中では当たり前のことだった。
ベルは私が海外旅行に行った時におみやげとして買ってきたものだ。
取っ手がおしゃれだし、真ん中に地球儀がはめ込まれていてくるくると回るところも好きだったし、何より涼しげなのに可憐に聞こえる音がお気に入りで、旅行中ずっと鳴らしていた。
妖精さんが見えるようになったのはいつからだろう。