ごろ

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2/16/2026, 7:33:49 AM

10年後の私から届いた手紙


10年後。私から一件の手紙が来た。
入院中の私に、看護師が手紙を渡してくる。

「……?」

恐る恐る手紙を開ける。
私の字、私の文字の書き方。

「こんにちは、10年前の私。」
「あなたは、死ぬ。教えられないけど」
「10年後にはいないよ」

それだけ書かれていた。

「……」

そしてその翌年。
彼女は病室のベッドで冷たくなっていた。

真っ白の、血色のない顔に布がかけられる。



___



「〇〇ちゃん。余命1年だったんだってね」
「そうそう、親が最期に手紙を残したんだって」
「10年後の彼女から。というお題でね」

「どうやら、余命宣告を隠してたらしくて」

「だから、こう手紙で伝えるみたいな」


死んだ彼女の、写真を見ていた。
病室のベッドで、冷たくなった彼女は親友だ。

私の、唯一の


あの手紙は、親が最期に彼女を笑わせようとした
そして、絶望に叩き落とした。


『あなたは死ぬ』



その一言でね。

2/13/2026, 4:14:58 PM

待ってて


大好きな人に会うこと。
それはすごく楽しみなこと。

「待ってて」

楽しみにしていた。

急いで電車に乗って、彼氏の所へ向かう。

その時に、一言電話


「_〇〇さんの、彼女さん、ですね」
「__い、ま_病院_で」

「え」


楽しみにしていた。
それは事実である。

でも、怪我をしてまで会いたかった訳じゃない


「___まってて」

楽しみだった思い出。
楽しみじゃないよ、もう。


怪我するのは、嫌いでしょ。


うん私も、嫌い。


処置室の前、倒れそうなほど
心臓がバクバクしていた。


11/24/2025, 4:45:29 PM

君が隠した鍵


私は、この部屋で監禁されている。毎日朝、一人目を覚ませば、暗い部屋に入ってくる光を見る。

そして両手に湯気の出た朝ごはんを持ってくる男の顔を見ると、途端に苛立ちが湧いて彼に怒鳴る。

「出して。ここから。」

「……出せないよ、家にも帰れないのに」

そう、私は家に帰れない。家の場所を覚えていない。この男の顔も名前も覚えていない。

数年前に起こった、交通事故で恋人だった男の名前も顔も、自分のことすらも忘れ去った。

君が隠しているのは、私が無くした鍵だった。

私が、事故で彼との思い出に蓋をした。

それを彼が私に悟られぬように蓋の鍵を握っている。いつか、いつか記憶の箱が開くと信じて。

「家、家にかえ、りたい。」

同棲している彼に、そんなことを言っても意味が無い。私の頭にある家は存在しない。

帰りたい。と言っても帰る場所もないのだ。




だから君が鍵を隠した。


……私が、

自分の記憶と全てから逃げ出さぬように。

11/7/2025, 4:34:11 PM

灯火を囲んで



死んだら、みんな灯火を囲うらしい。
私の住んでいる村では、そうゆう風習がある。
死んだ遺体を真ん中に置き、灯火で燃やす。
お坊さんの歌う歌を歌わなかったものは、呪われるという。

「…………」

お坊さんが歌っている中、私は灯火の中にいる、彼の顔を見た。

みんなが歌っているのに、私だけ口を開かずにじっと鋭い視線で睨みつけた。焦げ付いた顔を。


私が殺した彼の顔を。

「すごく、汚い顔ね」

それでいいと思えた。
私の彼氏を奪い去って、母と父を脅かした。それなのに、灯火で焼かれるだけで幸せだと思える。


「灯火で焼かれるだけで、よかったね」


後日、彼を殺したと告白した女が、

灯火に入れられた。



「きっと、呪いね。」
「そうよそうよ!あんなのは呪いよ!」
「いい子だったのにねぇ」


許さない。母と父を脅かして。
二度と許すものか。

地獄へ落としてやる。そして必ず。

私の手で灯火を囲ってやる。

9/23/2025, 11:33:03 AM

僕と一緒に


「あああああ!」

精神科、閉鎖病棟で叫ぶ彼女の姿。
涙を流しながら叫び、光を失った目。

そんな彼女が、好きなのは変わらない。

でも彼女に対して、安楽死が決まった。
悲痛な選択を取った彼女の親。

僕は、彼女の親を殺した。惨殺した。


何度も何度もナイフで刺し、

血を、内蔵を抉った。


僕もどうせ死ぬ。死刑になって、殺される。

彼女と同じだ。


最期に、彼女の身体を抱きしめた。言葉にならない言葉を話す彼女の肩に、涙が落ちる。

「大丈夫、僕がいるよ」


「一緒に、死のうか。"僕と一緒に”」

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