ごろ

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4/14/2026, 12:43:38 PM

神様へ


神様へ、おかあさんの病気を治してください。

5歳の息子がそんな願いを口にした。

父親は、涙が止まらない。


だって妻は、おまえの母親は。

残り余命3ヶ月、もう自発呼吸もできないよ。

4/12/2026, 3:39:01 PM

遠くの空へ



「単刀直入に告げる。」
「お前の母親はな、呼吸器官の病気なんだよ。」


まだ5歳の子供に、こんなことを告げる日が来るとは全く思っていなかった。

第1子の長男に、病気という事実を理解するにはまだ早いだろう。

ただ、理解させないといけない。

先程、息子は興味本位で母親の人工呼吸器に触れた。抜くつもりはない手の動き、ちょんちょんと、いつも通り誰かを起こす仕草で。

それがもし、人工呼吸器が抜けてしまえば
あいつの命に関わることになる。

そして今、目の前で理解できない顔を見せている息子。自分は、今現在、腕に1歳のふっくらとした娘を抱えている。


実際、自分の妻、つまり母親は
呼吸器官系の病気を患い、もう長くは無いのだ。

今は病院で、人工呼吸器に繋がれて苦しそうに息をしているに違いがない。


そしてその一ヶ月後。

妻は、突然自分にぎゅーを求めた。
自分は妻の要望通り、上から覆いかぶさった。

「ん…ぅ、も、し。わたしが…死んだら」

「やめろ、そんなこと言うな」

「えへへ、大事にされてるのしあわせだね」

そう言って、眠そうな目をしながら妻は、自分の背中に手を回した。

その数秒後、突然背中に回っていたはずの手がずるりと、滑り落ちた。

「…………え」

彼女は、もう息をしていないのだ。

遠くの空へ、行くことになった。

3/12/2026, 6:39:03 AM

平穏な日常



朝の通勤ラッシュ。
駅員はバタバタと仕事に追われていた。


西船橋駅勤務の彼は、さすが千葉一位と思えるほどの人の量に圧倒されながら、電車を捌いていた時のこと。

毎日、客が駆け込み乗車をし、電車が出発するまでの約10分間。


この時間が何度も続く。



その時に、ふと思う。



もし震災が起きて、電車が止まったら。
こんな平穏な日常はないのかもしれない。


「仕事しろ」


まぁ、駅長に注意されるのは、まだ

「平穏な日常」だろう。

2/25/2026, 3:36:32 PM

物憂げな空



彼女が、死んだ。人身事故で。
綺麗な夜景の下で。品川駅の線路に飛び込んだ。
最後まで、綺麗な姿だった。

ライトに照らされ、黒く反射した彼女の身体。

その後、世界は真っ赤に染まった。


その日の空は、物憂げな空だった。

彼女と品川に行く時に、見た朝日。
写真撮って、自撮りして、
自分のインスタのストーリーズにあげた。


ああ、こんなに寂しい空はあっただろうか

2/16/2026, 7:33:49 AM

10年後の私から届いた手紙


10年後。私から一件の手紙が来た。
入院中の私に、看護師が手紙を渡してくる。

「……?」

恐る恐る手紙を開ける。
私の字、私の文字の書き方。

「こんにちは、10年前の私。」
「あなたは、死ぬ。教えられないけど」
「10年後にはいないよ」

それだけ書かれていた。

「……」

そしてその翌年。
彼女は病室のベッドで冷たくなっていた。

真っ白の、血色のない顔に布がかけられる。



___



「〇〇ちゃん。余命1年だったんだってね」
「そうそう、親が最期に手紙を残したんだって」
「10年後の彼女から。というお題でね」

「どうやら、余命宣告を隠してたらしくて」

「だから、こう手紙で伝えるみたいな」


死んだ彼女の、写真を見ていた。
病室のベッドで、冷たくなった彼女は親友だ。

私の、唯一の


あの手紙は、親が最期に彼女を笑わせようとした
そして、絶望に叩き落とした。


『あなたは死ぬ』



その一言でね。

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