星座
雑誌の星座占いを見る
自分の星座の運勢をチェックする
結果は、良くも悪くもまぁまぁだった。
微妙な結果だったとしても占いと言う物は
見てしまうもので....
毎朝のニュース番組の最後にやる占いも
欠かさずチェックしてしまう
やはり当たらないと分かって居ても
ラッキーカラーやラッキーナンバーなどを
教えて貰うとつい意識してその色の小物を
身に付けたり つい何かを選ぶ時に
何番目を意識して選んでしまう傾向がある
占いに踊らされていると言えばそうなのだが.... でも私は、一日の選択肢の指針としてこれからも星座占いなどの占いの
チェックは欠かす事は無いだろう....
踊りませんか?
「踊りませんか?」そう声を掛けられ
一瞬身を固くする。
そこに居たのは 冷徹と噂される
侯爵子息だった。
私は、差し出された手に視線を置き
こわごわとその大きな手に自分の細く白い手を置く
そうして広いダンスホールまで手を引かれ
広い空間に誘導される。
オーケストラの楽団の人達が自分の担当の
楽器を構え そうして曲が始まる。
最初はバイオリンの音色から始まり
高らかに響き周りの人達がターンや
ステップ そうしてくるくると回り
曲に合わせて それぞれのダンスが
思い思いに始まった。
何故 侯爵が私の手を取ったのかその
怜悧な青い瞳の中にわずかな皮肉が
混ざっており口元も意地悪く口角を
上げていた。
「笑みが引きつっていたぞ あまり不自然に笑っていると口元に皺が増えるぞ!」
「あら侯爵様 女性の容姿を揶揄するのは
失礼に当たりますよ 寛大な私で無ければ
気分を害する所ですわ!」
「よく言う早く帰りたいと表情に出ていたぞ 俺が声を掛けなければ しつこい
令息の話しを切り上げられず いつまでも
聞いているハメになっていたぞ!」
令嬢は、ムッと口元を引き結んだ
それは、事実なので言い返せない....
しかし声を掛けるにしてもいきなり
何の脈絡も無くあんな冷めた目で話し掛けたら他のご令嬢なら怖くて逃げたして
しまうだろう
「貴方こそ女性をダンスに誘うなら
もう少しにこやかにスマートに誘えませんの あんな真顔でまるで戦地に立つ兵士の
様に威圧し過ぎですわ!」
令嬢は、不満を露わにする。
「ああ それは、すまなかった.....
他の令嬢は、可愛らしい方が多く自然と
口元が緩んでくるんだが お前の吊り上がった高慢な表情を見てるとどうも笑う気に
なれなくてな....」
令嬢は、その言葉に怒りが頂点に達し
令息の足をステップを踏む振りをして
わざと踏もうと画策するが
令息は、彼女の行動などお見通しの様に
軽やかなステップを踏んでそれを回避する
高慢令嬢と皮肉屋令息 彼女と彼は、
社交界のダンスパーティーに参加する
たびに言葉の応酬を繰り返している
その応酬が始まる合図は必ず....
「踊りませんか?」と言う令息からの
問い掛けから始まる。
そうして手袋を放る様に令嬢が令息の手に
まるで挑戦を受けるかの様に体を震わせ
武者震いをさせて 戦場と言う名のダンスホールに赴く
組み手をする様にお互いの手を重ね
ダンスの曲が終わるまでにお互い皮肉の
言い合いを始める。
それは、最早 お互いだけの恒例行事に
なっている....
それに 果たして 令息と令嬢が気付いて
いるかどうかは 最早 神のみぞ知る所と
なっている....。
巡り会えたら
また駄目だった また君を救え無かった。
何度 何度 この同じ時を巡り巡っても
君を救う事が出来ない
でも僕は、諦めない 諦められない
どんなに辛く 苦しくてもまた君に
巡り会い 笑い合える時に行き着くまで
僕は、この時間のループの波を止める事が
出来ない....
君にもよく言われていたっけ....
「諦めが悪いのが 君の短所でもあり
長所でもある.... もちろん私は君のその
性分を長所だと思っているけどね....」
そんな風に苦笑して 僕に呆れていたけれど 決してそんな僕の性分を否定しなかった。
君が長所だと言ってくれた僕の諦めの悪さを奮い立たせ 僕は、また時のループの波の中に自分を沈める。
君の手を必ずこの手に摑む為に
僕は、また時の流れの波に飛び込み
また巡りの旅にこの身を埋める。
奇跡をもう一度
遠い国の 遠い地で誰かが言った
「奇跡は二度は起こらない」と
また誰かがこうも言った
「奇跡は起きるものじゃない起こすものだ」と この世に奇跡なんてものが
存在するとしたならそれは神の御業か
はたまた人の努力の結晶か
一度目の奇跡が神の気まぐれなら
二度目の奇跡は人の馬鹿力か....
神は乗り越えられる試練しか与えないとは
よく言ったもので.....
この世の天変地異が神の奇跡なら
その天変地異に立ち向かいあらゆる災害や
水害から人命を守るのが人の手によって
創られた奇跡なのかもしれないと....
地震跡地に立ち尽くして思う
今あるこの命が奇跡だと....
災害救助隊員の皆様 本当にありがとう
ございました。!!
たそがれ
空に朱色と藍色が混ざり淡いグラデーションが掛かる頃 私は、学校からの帰り道を
ひたすら歩いていた。
不気味な程 黒く 暗くは無く
かと言って心から安心出来る程明るくも
無いそんな淡い黄昏時なら 私達の中に
私達じゃ無い者が私達の振りをして
混ざっていても不思議じゃ無い
そんな幻想的な妖しい者を呼び寄せる様な
そんな空を見上げながら 私は一つの
好奇心と不安 恐怖と期待を胸の中に
抱えながらいつも通っている通学路を
ドキドキしながら歩いて行く
何かが起こって欲しい様な 起こって欲しくは無い様な相反する気持ちがせめぎ合い
ながら 一歩 一歩 足を踏みしめて行く
家に着くまで 私の心は前のめりになり
落ち着かなかった。.....