Saco

Open App
8/14/2024, 1:44:06 PM

自転車に乗って

自転車に乗ってどこまで行こう
君と二人ならどこまでだって行ける気がする。

坂道を二人乗りで下って ぐんぐんと
スピードが上がる。
二人で きゃははっと笑いながら
ブレーキを引く

一瞬のジェットコースター君と二人でスリルを味わい笑い合う そうしてまた
真っ直ぐな道を二人で進んでそれぞれの
家路に帰った。

8/14/2024, 5:12:59 AM

麦わら帽子(番外編)⑰の続き

心の健康(番外編)⑱

●やきもち

さっきから、ハイネの心は、ぐるぐると
回っていた。

太くごつごつした男らしい指先が
彼女の髪に掛かるたびそうして知らない男の指先が彼女の髪に指先を入れて梳くたび

ハイネの心は、ちくっと針が刺したみたいに痛みだしイライラが募る。

そうして、別の男の手で、可愛くなっていく彼女もといシズク
(注此処で言う彼女は、別に二人が恋人に
なったとかでは、ない)

今 シズクは、男の美容師さんの手で
髪型を可愛くアレンジされていた。

その姿に見惚れている自分がまたいる事も
ハイネは、分かっていたがやはりイライラが募っていた。

「ハイネそんなに気になるなら頼まれた時に反対すれば良かったのに...」
ナイトがハイネの横に立って忠告する。

ハイネは、壁に寄りかかってしゃがみながら「別に反対する理由なんて俺には無い」と膝を抱える。


今日は、前ウェディング雑誌で模擬挙式を
撮影しモデルもした三人 それにつられてと言う訳では、無いが 今度は、シズクに
モデルをしてくれないかと言う話しが来た

カットモデルとして少し髪を弄らせてくれないかと言う話しが来た。

シズクは、最初首を横に振って全力で
拒否していたがどうしても頼みたいと言う事で困っていたのでシズクも強く断れず
皆も付いて来てくれると言うのでシズクも
安心し承諾したのだった。

そうして、皆でシズクを見守る体でまた
撮影の見学に来ていた。

ミーナなんか「シズク可愛いわよ!」と
何だか押しのアイドルを盛り上げるファンみたいに撮影のカメラより先に自分の
スマホでシズクの姿を撮影していた。
ナイトは、そんなミーナを見て微笑ましい視線を向けて楽しそうなのに....

何だか自分だけがイライラしたり
見惚れたり心が定まっていなかった。

(来るんじゃなかった....)とハイネは、
後悔していた。

最初は、緊張して、こわごわしていた
シズクも男性の美容師さんに髪をセットされてアレンジされて可愛い髪型にしてもらったのがよっぽど嬉しかったのか
今では、緊張も溶け美容師さんに笑顔を
向けていた。

その笑顔を向けている姿をみるとハイネは、胸が絞られる様に苦しくなり
イライラが溜まっていく

(っくそっ....)分かっているこれは、
撮影だそれ以上の事は、何も無い
現に自分だって撮影された時は、女性の
美容師さんに髪を整えられた事も
あった だからこれは、普通の事で
波風立てる事じゃ無い事は、分かってる
のに....

「シズクちゃん可愛いね 髪もちょっとだけカットしてみる?」そう男性の
美容師さんがシズクの名前を呼ぶたび
シズクの髪の毛に遠慮無く触るたび
イライラが止まらない
「っ~」そのたびにハイネは、自分自身を
抑え(これは、普通の事.... だからこれは
俺がわがままなだけで....)

恋人じゃないんだからやきもちなんて
焼く資格俺には、無い 俺のせいで
シズクの行動を制限したくない
困らせたくない....

(ああ いつも意地悪しか出来ないくせに
こう言う時だけ勝手にイライラするとか
俺ってどんだけ醜いんだろう....)

男性の美容師さんの方に視線を向けるハイネ ああ言う風に自然に可愛いって言える
人の方がきっとシズクも好きになるんだろうなあ....

俺が模擬挙式で新婦役の人と撮影してても
シズクは、嬉しそうにして普通にしてたのに 俺は、やきもちを焼いてくれないかなあなんて浅はかな事を期待して
シズクに男として意識されないのも
当然だ....

そんな事を考えているとハイネは涙が
出てきそうになる。

「ハイネ....」その声にハイネは、びくんと
肩を震わせる。
みるとシズクがアレンジされた髪型のまま
トテトテとハイネに近づいて来ていた。

近くでその姿を見てまた胸がトクンと
高鳴るハイネ「かっ....」可愛いその一言が
言えないハイネ

「髪....元に戻さなくて良いのかよ.....」

「うん....このまま帰って良いって
ミーナとナイトが呼んでるよ
早く帰ろう....!!」そう言って
シズクは、にっこりとハイネに笑顔を見せる。
「うっ....うん....」(その格好で嬉しそうに
笑うんじゃねぇ馬鹿シズク)ハイネは、
また再開した胸の鼓動を必死に抑えつけ
ながらシズクと一緒に歩いて行った。

こうして、ハイネの心の平穏は、
一人の少女の行動と喜怒哀楽で目まぐるしく変化する しかしハイネは、
この変化を絶対に手放したくは
無いのだった。

8/12/2024, 10:57:53 PM

君の奏でる音楽

ステージの上で、繰り広げられる
音の大合奏 オーケストラと言う一つの
集団が渾然一体となって一つの音を作り上げる。

それは、とても素晴らしい事で
感動する事なのは分かって
いるけれど.... 僕の耳に一際大きく響くのはどうしても君の音なんだ贔屓と言われるかもしれないが君の音だけが僕の脳を
揺らし 僕の心の奥の奥に訴え掛ける
様に僕の胸の奥にしまってあった感情を
引き出してしまう。

自分でもこんな感情が僕自身に眠っていた事にびっくりする位 君の音は、僕の
琴線に触れ 僕の目から滂沱と涙を
溢れさせるんだ。

8/11/2024, 11:28:42 AM

鐘の音(番外編)⑯の続き

麦わら帽子(番外編)⑰

●シズクの夏の過ごし方

じりじりと灼ける様な夏の日差しに
肌が灼ける様なアスファルトの
照り返し シズクの白い肌にも玉の
様な汗が流れる。

シズクは、頭を日差しから守る為に
大きな麦わら帽子を被っていた。

ミーナ ナイト ハイネの三人は、
魂狩りの仕事の為バインダー局を出て
外に行っていた。

マリアとハロルドは、事務処理や
書類仕事に追われて忙しそうだ。

その間にシズクは、自分の出来る事と
題して 庭の草むしりや 暑い中
皆が帰って来るので 差し入れのお使いに
行ったりしていた。
ちなみにこれは、別に誰かに頼まれた
とかでは無く 皆忙しいので一番暇な
自分が率先して、雑用位はしなくちゃと
シズクが自発的にやっている事だった。

軍手をして、草むしりをするシズク
(うんしょ うんしょ!!)シズクは、
一生懸命 草を抜く

手で抜きにくい所は、鎌を使って力を
入れる。
(ふぅ~)シズクは、息を一息吐く
シズクは、ゴミ袋を結びゴミをまとめ
ゴミの集積所にゴミ袋を運ぶ
(うんしょ うんしょ!)
ゴミ袋を集積所に置きシズクは、
はっと思い出す。
(水分補給しなきゃ....) 熱中症で倒れたら
皆に心配を掛けてしまう....
シズクは、首に掛けている水筒を外し
自分で入れた麦茶を飲む
冷たい麦茶がシズクの喉を潤す。

ゴクンと喉を鳴らしシズクは、また水筒を
首に掛けると(そろそろ皆帰って来るよね)と皆を出迎える為にバインダー局に
戻り自分が作った麦茶を皆に用意しなきゃとシズクは、早足になる。
途中(あ....)と走り過ぎた為シズクは、
バッターンと転んでしまう。
(う~痛い~)シズクは、膝を擦り剥いてしまったがこの位なら自分の治癒術で治せるのでシズクは、治癒術を使い自分の怪我を
治し地面に付いた土を払い
マリアやハロルドに心配を掛けない様に
怪我の事は、シズクからは、言わなかった。

そうして麦茶を用意し皆を待っていると....

「暑い!」と言いながら三人が帰って来た
シズクは、皆に麦茶を配る。
「「ありがとう」」とナイトとミーナに
お礼を言われてシズクは、嬉しくなった。

最後にハイネに麦茶を配るシズク
「はい....ハイネ....」とシズクは、ハイネに
麦茶を差し出す。

ハイネは、にっこり笑っているシズクを
一睨みし シズクが被っていた
麦わら帽子をシズクの目元まで下げる。
「きゃあ!」シズクは、びっくりして
小さく悲鳴を上げる。
ハイネがぼそっとぶっきらぼうに
「テメェまた無茶しやがって馬鹿シズク」
「え?」シズクは、ハイネの言葉に
目を丸くする。

ハイネは、シズクの麦わら帽子を見て
(暑い中一人でまた無茶したなこいつ)と
思っていた。
シズクは、(無茶って何の事だろう?)と
首を傾げる。

そんなハイネとシズクのやり取りを
見守っていた他の面々も苦笑していた。

シズクの一人の頑張りをちゃんと見ててくれる他のメンバー達....



こうしてシズクは、今日も皆の笑顔の為に
自分の出来る事を精一杯頑張るのだった。

8/10/2024, 10:33:40 PM

終点

気が付けば、知らない駅に着いていた。
どうやら 電車の中で寝過ごしてしまったらしい

終点の駅まで着いてしまった私は
途方に暮れる。

いや でも此処でじっとしていても
仕方が無い
私は、覚悟を決めて ええい!ままよと
思い切って 風の向くまま
気の向くまま 体を立ち上がらせて
終点の駅に降りてみる。


降りてみると 私が住んでいる町とは、
趣が違い 朴訥とした古風な家が
疎らに並んでいる。

人は、少ないが 果たして今夜泊まれる所はあるだろうか 所持金が足りれば良いが.... 幸い明日は、仕事は休みだ
独身の身の上故 自宅には、帰りを
待ってくれる人も居ない為
心配を掛ける事も無い

私は、駅から右側の道に行くか
左側の道に行くか 一瞬迷い
逡巡し 建物が疎らに建っている 
右側の道を行く事にした。
地元の人に話が聞ければ良いが.....

私は、右側の道を歩き始めた。
果たしてこの選択が 孤独な男に
どんな出会いを齎してくれるのか
今の男には、全く何も分からないのだった....。

Next