Saco

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8/9/2024, 10:12:42 PM

上手くいかなくたっていい

失敗しても、それが積み重なって

成功に繋がるなら無駄じゃないって
思うんだ。

君は、失敗したら恥を掻く
皆を落胆させるなんて言うけど

そんな事ないよ!皆ちゃんと貴方の
頑張りを見ていたよ

そんな人達が貴方が失敗した位で
落胆するわけない

だから さぁ行っておいで!
躊躇う君の背中を押し 私は
君の身体をステージへと押し出した。

8/8/2024, 9:20:02 PM

蝶よ花よ

「お嬢様 お待ちください」そう声を掛け
私は、お嬢様を追いかける。

あの頃のお嬢様は、何にでも興味を持ち
好奇心旺盛で、じっとして居られず
野原や花畑を掛け回り
綺麗な服を良く泥んこにしていた。

気に入らない事があると良く癇癪を起こし
手足をジタバタとさせ 我が儘を言っては、周りを困らせた。

しかし 喜んでくれると花の様な笑顔を見せてくれ 私達もその笑顔にほだされ
ついつい甘やかしてしまう....

こうして、幼少時に蝶よ花よと大切に
大切に育てられた お嬢様は、
成人すると 我が儘は、どこへやら
すっかりなりを潜め 立派なレディーへと
成長を遂げた。

こうして 貴族の子息の元へ嫁いで行った
私達のお嬢様は、一男一女を設け
妻として、夫を支え 立派に家を盛り立てた 大人になったお嬢様だが
あの花の様な笑顔だけは 幼少の時から
変わる事無く 私達や周りの人達の
心を何時までも 何時までも和ませている。

8/7/2024, 11:43:04 AM

最初から決まってた

最初から決まってた 分かっていた事だった。
僕が、振られるのは、ずっと前から分かっていた事だった。

君が僕じゃ無くあいつを常に見ている事には 気付いていた。

それでも、僕は、この想いを君に
告白した。
返事は、思った通りの....
「ごめんなさい....」だった。

こうして、僕の恋は、呆気なく
終わってしまった。
不思議と告白した事に後悔は無い
悲しく無いと言えば嘘になるが
しかし胸の中にもやもやも溜まらず
寧ろ清々しくすっきりとした気持ちだった。

だって、あいつが良い奴だって
親友の僕は、知っている。
ちょっと調子に乗ってしまう所は、
あるけれど 優しく気の良い奴だって
僕は、知っている。

それに 僕は、あいつの事を話す
あの子の笑顔が一番好きだと
失恋してから、気づいてしまった。
だから 僕は、この結果に心から満足
していた。


数日後 あいつとあの子が 仲良く
手を繋いで歩いている姿を見掛ける。

僕は、「おはよう!お二人さん!」と
親友の肩に腕を伸ばし親友の肩を組む
二人は、僕に気づいて
「「おはよう!」」と声を揃えて
挨拶してくれた。

この日を境に僕達三人の友情が
育まれる事になるとは、
さすがの僕も予想外だった。....。

8/7/2024, 12:09:32 AM

太陽

太陽を追いかける様に咲く向日葵
向日葵を見つめて輝く太陽
まるで、お互い恋をしてるみたいだ。

地上と空で分かたれた二人
太陽は、向日葵が咲くのを毎年 毎年
待っている。

向日葵は、種を植えられ芽が出て
花が咲いて、太陽と向き合ってお互いの
姿を見つめられる様に大輪の向日葵になる

一年に一度の出会い だけど 私は、
貴方に会いたいから また来年も
頑張って花を咲かせるね!

太陽は、にっこりと明るく微笑んで
また、来年 向日葵に会えるのを
楽しみに待つのだった。

8/6/2024, 1:40:34 AM

お祭り(番外編)⑮の続き

鐘の音(番外編)⑯

●ハッピーウェディング

カーン カーンと教会の鐘が鳴る

今日は、局長の知り合いの伝手で
ウェディング雑誌の取材で
カップル代表として、ミーナとナイトが
雑誌のモデルを頼まれた。

二人居れば、事足りるのに
何故か見学をスタッフに勧められ
俺とシズクは、二人の撮影を見学していた

シズクは、キラキラした瞳で、
ミーナとナイトの二人を見つめて居るが
俺は、何の感慨も湧かず
欠伸を一つした。

(何も雑誌の撮影で、本格的に模擬挙式を
挙げなくても良いような気がするが...)
と 俺は、思ったが女子は、こう言うのが
好きなんだろうなぁ.... 俺は、隣で両手を
組んで二人を見つめてるシズクを見る。

(結婚....)と言う二文字を頭の中で浮かべてしまい俺は、慌てて首を横に振る。
(はぁ~早く帰りたい)と俺は、心の中で
ため息を吐き項垂れた。

しばらく立ち撮影が終わりやっと帰れると
思ったのだが....
気が抜けて呆けていたらスタッフの人に
手を取られ懇願された。

「お願いします代わりのモデルとして
撮影に参加してくれませんか?」
「は?」俺は、顎が外れそうな程
ポカンとしてしまった。

何でも 次の撮影の新郎役のモデルの人が
急に来られなくなり急遽代役が必要らしい
事情は、まぁ...分かったが....何で俺?

俺は、素人だし撮影と言う事は、それなりになりきらなきゃ行けないので
演技力も必要になると思う....

自分で言うのも何だが俺は、演技力なんて
皆無だ 写真撮影なので台詞は、無いと
言うが 新郎 新婦らしくポーズは
取らないと行けなくなる。
そんなの俺が出来る訳ない
断ろう俺なんかがでたら撮影が滅茶苦茶に
なる そう思ったのだが....

「お願いします 新婦と背丈が合う若い人が貴方しかいないんです」切羽詰まった
スタッフ突然のトラブルにどう対応して
良いかスタッフ側も分からないのだろう

俺は、何となく悟った これは、了承しないと帰れ無い奴だと....

俺は、ため息を吐いて渋々了承した。

俺のモデルが決定してミーナとナイトが
「ハイネ ドンマイ」「いつの間にそんな
事になってんのよ!」とそれぞれ労る様な
呆れる様な視線を送って来た。

シズクに至っては、「ハイネ....モデルに
選ばれるなんて....凄い....」と両手を胸の前で拳にして、俺に尊敬の眼差しを向けて来たが 正直 シズクの反応に俺は、
落ち込んでいた。

分かっていた事だがシズクは、別に
俺が模擬とはいえ他の異性と結婚式を
挙げても何も思わない.....
やきもち位焼いてくれないかなあと
期待していた分少しショックを受けていた




シズクは、ハイネの撮影にワクワクして
いた。
(皆....モデルに選ばれて凄い!)

シズクは、興奮してハイネの撮影を見守る
撮影も中盤に差し掛かりハイネが跪いて
新婦の手の甲に顔を近づける
ちなみに誓いのキスなど
キスシーンなどは、スタッフ側がハイネを
気遣い触れそうで触れない寸止めのキスをしたフリで乗り切る。

そのシーンに差し掛かると....
(あれ?....)シズクの瞳から涙が溢れた。
(何で....私....泣いてるんだろう...)
シズクが自分の涙に混乱していると....

「シズク テメェ何で泣いてんだよ!」
撮影を終えたハイネがシズクの顔を覗き込む。

「えっと~ぉ....多分....感動して....」

「はぁ!何だよ多分って.....
ったく しょうがねェなあテメェは!」

ハイネがシズクの目尻に溜まった涙を
指先で拭う。

「拭く物持ってねェんだよ!面倒臭ェから
早く泣きやめ!」ハイネが面倒臭そうに
シズクに文句を言う。

「は....はい....」シズクは、ハイネに
申し訳ないと思いながらも何だか胸が
暖かくなり笑いがこみ上げてきた。
「テメェ何笑ってやがる!」

ハイネがムカついてシズクのほっぺたを
両手で抓る。

「ご....ごめんなさい....」シズクは、ハイネに謝るが笑いが止まらない

そんな二人のやり取りに笑いが込み上げた
様に教会の鐘が カーン カーンと
高らかに響き渡った。

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