もしもタイムマシンがあったなら
西暦○○××年
タイムマシンが、開発され 現代人が
乗り回すのが当たり前になった時代
そんな時代の世界は、全盛期の見る影も
無く荒廃していた。
未来が知る事が出来る様になった現代人に
向上心は、無くなり
過去をやり直せる様になった現代人は
後悔と罪悪感を無くし見事な無法地帯の
出来上がりだ。
犯罪が横行し 取り締まる警察側も
未来や過去に逃げ込む犯罪者達に命を
握られ死に怯える様になった。
最早、警察と言うより人質に近い
タイムマシンが開発された当初人々は
湧き立ち人類の夢の実現に歓喜したのも
今や昔.....
すっかり堕落し見る影も無い私達人間
未来に絶望し過去に満足し私達は、
疲弊して行く
これじゃあダメだと私達一握りの無駄な
向上心がある人類は、立ち上がった。
最後の足掻きとして、全ての元凶である
タイムマシンに乗りタイムマシン開発を
阻止する事にする。
その結果たとえ自分達が元の時代に帰れなくなったとしても 今の荒廃して行く
世界を野放しにしたら これから産まれて
来る世代の子供達に何も誇れない
それに、過去は、タイムマシンが無ければ
変えられ無いけど....未来は、これからの
私達の行動で変えて行く事が出来る。
こんな堕落した現在に満足していたら
たとえ未来が見れるタイムマシンが
あったってちっとも楽しく無い
過去は、糧にし 未来は、希望に溢れて
いなければいけない でなければ
私達は、生きられない
辛い事 悲しい事 もう二度と味わいたく無い事 全ては、経験だ。
その経験があったからこそ今の自分に
自信が付き大切に出来るんだ
二度と味わいたく無い過去があるから
人は、悲しみを知り痛みを知り人に優しく
出来るんだ。
それを捨てちゃ行けない
失っちゃ行けない
さあ乗り込もう そして取り戻そう
何も知らなかった真っさらな未来
辛酸を舐めた苦い過去
それらをこの手に摑む為私達は、
タイムマシンに乗り込み
タイムマシンを終わらせる旅に出た。
視線の先には(番外編)⑫の続き
今一番欲しいもの(番外編)⑬
●バレンタインデー
某○月×日
今日は、女子は、ワクワク
男子は、ソワソワする日
此処にも一人ソワソワと落ち着かない
少年がいた。
「ハイネ、落ち着きなよ! そんなに
ソワソワしなくても 毎年シズク
ハイネにくれるじゃない」とナイトが
ハイネを落ち着かせる様に声を掛ける。
「はぁ 何が 別に....あいつが誰に
あげようと俺には、関係ないし....」
「そう じゃあ今年は、女子寮の皆で
作るらしいから、僕たちあぶれるかも
しれないね! まぁ僕は、家に帰ってから
ミーナから貰うから別に良いんだけど...」
ナイトの言葉にハイネの肩がびくりと
上がる。
「べっ別に.... それならそれで 別に...」
と だんだんとハイネの言葉が尻すぼみに
なる。
そんなハイネの様子を見て、ナイトは
くすくすと笑う。
一方 女子達は....「ミーナは、ナイト君に
もう準備してるんだよね!」
「そうね! 家に帰ってから渡そうと
思って これは、自分用と友達用
シズクにもあげるからね!」
とミーナがにっこりとシズクに言う
「うん...ありがとう....私もミーナに
あげるね....ナイトにも 後ハロルド局長と
マリアさんにも....」
「あら ありがとうシズクちゃん」
「私も局長とマリアさんにあげたいです」
「ありがとうミーナちゃん」
「ミーナとシズクちゃんのチームは、
本当に仲良いね! シズクちゃんは今作ってるチョコ誰にあげるの?」女子寮の女子に
そう質問されシズクは....
「ハイネにあげるよ!!....」とシズクは、
にっこりと答える。
「そうなんだ 私 ハイネ君とは、
喋った事ないんだよね....どんな感じの人?」
「....どんな??」シズクは、ハイネの顔を思い浮かべる。
吊り上がった目 ぶっきらぼうな言葉
自分に意地悪した時の嬉しそうな顔
「.... 意地悪....厳しい....でも....優しいよ....」シズクはハイネについて自分の思っている事を素直に告げる。
そのシズクの笑顔を見た声を掛けた女子は
そっとミーナに耳打ちする。
「ねぇミーナ シズクちゃんって....その
ハイネって人の事どう思ってるの?」
その耳打ちにミーナも耳打ちで返し
「それは....ちょっと謎なのよ....
ハイネったらシズクにばっか意地悪するからシズクもハイネに意地悪された時は
泣きながら嫌いって言うんだけど....
次の日には、忘れた様に普通に喋ってるから嫌っては無いと思うんだけど....
恋愛感情かって聞かれると....
シズクもハイネの事は仲間とは、
思ってるんだけどそれ以上の事となると
ちょっと分からないわね
シズク自分の事には、鈍いし....
ハイネも意地っぱりだから....」
「なるほどね!」とミーナとその女子の
耳打ちの会話は、シズクには、
聞こえ無かった。
そうしてついにチョコレートが完成し
綺麗にラッピングしてハイネに渡しに行く
シズク ミーナも義理チョコとして
ハイネに渡しに行く
「ハイネ!!」と まずミーナがハイネに
声を掛ける。
「あ...何だよ!」「これ....義理チョコ...」
とミーナがハイネに小さい箱を渡す。
「ああ」とハイネ普通に受け取る。
しかし受け取り方が気にくわないミーナ
「ああって何よ!」とミーナが眉を吊り上げるのでハイネは、小さく「ありがとう」と答える。
次にシズクの姿が見えるとハイネ肩をびくんと震わせる。
「ハイネ....はい....」シズクにっこりと笑顔でハイネにチョコを渡す。
「っ・・・・」ハイネ言葉が固まり
手が震える。
シズクに何も言えずお礼すら返せない
ハイネ
そんなハイネの態度も気にせずシズク
はナイトやハロルドマリアミーナにも
チョコを渡す。
そうして皆にお礼を言われ皆の笑顔が見られシズクは、暖かな気持ちになる。
(良かった皆に渡せた....)
皆が嬉しそうにチョコを頬張る光景が
見れて嬉しいシズク
しかしふと視線を転じるとハイネだけ
まだシズクがあげたチョコを食べていなかった。
ハイネの顔を見ると真っ赤に紅潮していた。
シズクは、その顔を見てハッとなる。
(もしかして....チョコを食べ過ぎて
具合が悪いのかなあ....)
シズクは、ハイネやナイトが他のチームの
女子達からもチョコを渡されていたのを
思い出した。
シズクは、ハイネの側に行きハイネに声を
掛ける。
「ハイネ大丈夫?...具合悪いなら...
チョコ残して良いよ....」
「はぁ~!別に具合悪くネェよ!
唯....食べるのが勿体ないと思っただけだよ」
「そうなんだ....」(ハイネ凄くチョコ好き
なのかなあ....)
(だって....シズクが俺の為に毎年チョコ
作ってラッピングだって毎年違う物考えて
くれて....それを思うと勿体なくて....
写真撮って...家に帰ってゆっくり食べよう)
ハイネはシズクのチョコを溶けない様に保冷バッグに入れて宝物を扱う様に潰れ無い様にそっとバッグにしまった。
こうして今年もシズクから一番欲しいものを貰えて大満足のハイネなのだった。
私の名前
私は猫 名前はまだ無い
白い毛皮に茶色のブチ 尻尾の先が少し
だけくるんとなっているのが特徴
そんな私の姿を鑑みて 家族会議が始まった。
安直なタマから始まって ブチ トラ
チビとなんかだんだんと悪口みたいな
名前から始まって チョコ ブラウニー
おやき など食べ物系の名前が集まり
美味しそうになって来た。
次に アキ ハル ナツ フユ と四季の
名前を全部 制覇しだした。
ハレ アメ ユキなど天気の名前ゾーンに
入り なんやかやと意見が飛び交い
私の最終的な名前は、くるりとなった
理由は、尻尾がくるりんとなっているからだそうな
あんだけ時間を掛けたのに最終的には
身体的な特徴の名前で終わった。
まぁ付けられた私の方から言わせて
貰えるなら 名前なんて呼びやすければ
何でも良いニャンと思う
でもくるりは中々悪く無い名前だなあ
これからこの名前が私の体の一部になるのかと思うと今から楽しみな感じがする
私は、尻尾をピンと真っ直ぐ立てた
尻尾の先だけくるんとなりながら....
私は、自分の名前を噛み締めていた。
私だけ(番外編)⑪の続き
視線の先には(番外編)⑫
●海
キラキラと眩しい太陽 青い海に白い砂浜
サーフボードで波に乗る若者達
サンオイルを塗って日焼けに勤しむ若者達
色とりどりのデザインの水着の美女達
そんな、夏真っ盛りの海の風景の中で
お馴染みの四人は、何をしているかと言うと....
ジュー ジューと鉄板で焼きそばを焼く
ハイネ かき氷にシロップをかけるシズク
浮き輪やビーチパラソルなどのレンタルの
受付をするミーナ 呼び込みをするナイト
四人は、今 海の家でアルバイトをしていた。
(あち~ぃ 何か一番過酷なんだけど
焼きそば作り)ハイネは汗を手の甲で
拭い途切れない列を見つめる。
(何でこんなに列途切れないんだよ
皆そんなに焼きそばが食べたいのかよ)
はぁ~と溜息を吐くハイネだが
ハイネは気付いていなかった。
呼び込みをするナイトを筆頭に
水着の女性達の視線の先には明らかに
ナイト目当て ハイネ目当ての人達が
居る事を....
ハイネは、目付きが鋭いので第一印象では
敬遠される事が多いのだが....
一人暮らしの為家事全般得意
運動も勉強もやる気が無くてさぼりがちな
だけで一応テストの時は、上位をキープしている。
加えて今回はお金を貰うアルバイトの為
いつもより愛想良くお客に対応していた
その為何も知らない女性達が色めき立って
いた。
しかしハイネは、自分に向けられる
そう言う視線には気付かない
ただ 早く列に切れ間が出来ないかなあと
思うだけである。
一方のナイトは、ハイネと違いそう言う視線には気付いているが....ミーナ一筋の為
あくまで客と店員と言うスタンスを
崩す事は、無かった。
女性陣は、どうかと言うとミーナも
スタイル抜群で美人なので知らない男性が
話しかけようとするのだがそのたびに
近くで呼び込みをしているナイトから
牽制の視線を向けられるので声を掛けて来る男性は、少ない 仮に勇気を出して
声を掛ける男性が現れてもミーナは
下心ありありの男性の振る舞いには
容赦はしなかった ぐさりと抉る様に
軟派な声かけを両断していた。
なので一番無防備なのは、四人の中では
シズクなのだが.... シズクに至っては
そう言う軟派的な声かけは、一切掛かって
来なかった。
可愛いとは、思われていた。
しかし見た目が小柄で小学生みたいなので
三人の誰かの妹だろう位にしか思われて
いなかった。
しかしそれは、声を掛け無かった時の場合
何人かの男性がシズクに声を掛け
その優しさと素直さに(小学生と思われているので下心的な事は、無いが)ほんわかと
癒されていた。
そんな空気をぶち壊す様にハイネが睨み上げて居たのでそんな空気は一瞬で終わったが....
とにもかくにも四人のおかげで海の家は
大反響で幕を閉じたのだった。
そしてバイトも終わり四人は、せっかく海に来たのだからと泳ぐ事にした。
四人は、水着に着替えた。
シズクだけは露出が多い服が苦手なので
濡れても良い洋服のワンピース型の水着だった。
そんなシズクを見てハイネは、....
露出が無くてほっとした様な
ちゃんとした水着の格好も見たかった
様な複雑な心情だったが胸の中に飲み込んだ。
そんな四人をさっきの海の家でハイネに
色めき立っていた女性グループが見つける。
特にハイネを気に入っていた女性の一人が
ハイネに声を掛けようとして....
動きが止まった。
ハイネがシズクに自分達の時とは、全然違う優しい笑顔を浮かべていたからだ
接客用の作った笑顔とはまるで違う
蕩ける様な優しい笑みだった。
その笑顔を見て女性は、悟った。
嗚呼.... 彼の視線の先には、あの子しか
見えていないのね....と
女性達は、ハイネに声を掛けるのを辞め
その場を立ち去った。
こうして一つの恋が知らぬ間にひっそりと
終わりを迎えたのだった....。
空を見上げて心に浮かんだこと
(番外編⑩)の続き
私だけ(番外編)⑪
●中身が君じゃないだけで....
ふわり ふわりと体が軽い
体重と言う物が無くなったみたいに
軽い 私どうしたんだっけ....
頭を回転させて思考を回す。
嗚呼.... 確か キモいストーカー男に
つきまとわれたんだっけ....
ちょっと優しくしたら勝手に勘違いして
本当に迷惑.... それからどうしたんだっけ
と 自分の行動を思い返していると
ガラスのショーウィンドウを横切り
ふと見ると.... 何これ.... これ私....
ガラスのショーウィンドウに映った
自分の姿は、人じゃなかった。
例えるなら、人魂と言う言葉が一番近い
『何よこれ!』
【○○区で二十代女性がナイフで刺され
重体 刺したのは三十代男性】
そんなニュースがビルの街頭の広告塔の
画面に流れていた頃
ハイネ ミーナ ナイトは、穢れた魂を
浄化していた。
魂が次々と透明化され、真っさらな状態に
戻って行く。
魂が消えて、仕事が一段落して、魂の浄化した数をバインダー局に報告しに行く三人
その三人の後を付いて行く影があった。
『何かしら?この建物?』私は、興味
本意でその建物に入って行く
目に付いた三人に付いて行ったら
馴染みの無い建物に入った
『何のお店かしら? 此処?』
今の人魂の姿と同じ物を相手に何やら
戦っていた三人の後に付いて行ったのは
良いけど私この姿から元に戻れるの
かしら?
しかしこの姿 手足も無いし
口も無いから、喋れてるのかしら?
こそこそと隠れながら様子を窺って
いると....
「皆....お帰り....」小学生みたいに小柄な
少女が三人に近付く
「「ただいまシズク」」金髪の少年と
赤髪の少女が小柄な少女に笑顔を向けて
答える。
『何あれ....』なんだかほんわかした
空気が流れる。
小柄な少女が皆に飲み物を配っていた。
「ありがとうシズク君」
「ありがとうシズクちゃん」
椅子に腰掛けていた妙齢の男性とその隣に
立っていた妙齢の女性も飲み物を受け取り
お礼を言う。
最後に小柄な少女は、目付きの鋭い少年に
飲み物を渡す。
その目付きの鋭い少年は、他の四人と
違い少女にお礼は、言わず黙って受け取る。しかし少女が後ろを向いて
目付きの鋭い少年に背を向けた
瞬間 今までどの人が浮かべた笑顔より
一番 目付きの鋭い少年の笑顔が少女に
向かって一番優しく甘い笑顔だった。
瞬間 私は、初めて見掛けた 初対面の少女に向かって嫉妬した この部屋の
中心人物は、あの小柄な少女だと私は
理解した。
何故か私はあの少女にとてつも無い羨望を
抱いていた。
嫉妬していた。その嫉妬が止まらない
気が付いたら私は、....
皆に飲み物を配っていたシズクの動きが
突然止まった。
「シズク?....」ハイネに背を向けたまま
動きを止め そして....いきなりシズクは
体ごと倒れた。
「シズクーーっ」ハイネが急いで駆け寄り
シズクの体を受け止める。
他の皆もシズクに駆け寄る。
「シズクどうしたの?」ミーナが心配そうにシズクを覗き込む
そうしてしばらくしてシズクの目が覚めた
「シズク良かった!」ミーナが安堵した
声を上げると....
「何この体 色気 全然無いわね!
胸なんてペッタンコじゃない」
シズクの声でシズクらしからぬ口調で
言葉が発せられた。
「シ....シズク....」ミーナが目を見開いて
シズクを見る。
「あら 何そのまぬけな顔 ウケるんだけど....」シズクの体でシズクが決して浮かべない人を見下した表情をする者
「テメェ誰だ!」ハイネが警戒する様に
鎌を握り締める。
シズクの体に乗り移った者がハイネに手を
伸ばしハイネに抱きつく
「ねぇ貴方 この子の事好きでしょう!」
ハイネに向かって艶然とした笑みを浮かべる シズクに乗り移った者
ハイネは、不快に顔を歪め 体が密着しない様に体を反らせる。
「ねぇこの子の代わりに私を愛してよ
満足したらこの子から出て行ってあげる
でも言う事聞いてくれなきゃ....」
そう言ってハイネの鎌の刃に手を伸ばし
触れる。
「なっ....」ハイネが気付いて一歩下がった
時には、シズクの指が小さく切れ血の筋が
付いていた。
「この子怪我しちゃうかもね....」
「っ....」シズクを人質に取られ
ハイネ達は言う事を聞くしかなくなった。
さっきから俺の膝の上でシズクが髪を指先に巻いたり 爪を磨いたりしている。
いつもだったらこんなにシズクに密着されたら胸の鼓動が煩くなって心臓が高鳴るのに顔に熱も上がらず俺は、冷静にシズクを見ていた。
正確には、シズクの体に入った者を....
「ねぇ喉乾いた誰か飲み物持って来て~」
その言葉にミーナが口をへの字にして
お盆にジュースを載せて持って来た。
そうして渋々机にグラスを置く
いつもニコニコしているナイトですら
眉を吊り上げミーナをこき使う
今のシズクに射殺しそうな視線を向ける。
「ねぇダーリン キスしよう!」と俺の
首に腕を絡め甘い猫撫で声で強請るそいつに俺は、背筋に寒気が走った。
シズクの声でそんな風に媚びた様な口調で
言われると 腹立たしいし気持ち悪かった。
俺は、我慢の限界だった。
俺は、そいつを乱暴に押し強引にそいつを
退かせる。
「きゃっ ちょっと何するのよ!」
俺は、不快感を露わにしてそいつを睨み上げる。
するとそいつは、びくっと肩を跳ねさせ
尻餅を付いて 後ずさる。
「なっ....何よ!」私は、唯あの小柄な少女が向けられていた優しく甘い笑顔が欲しかっただけなのに....
あんな風に私だけを愛してくれる
誰かが欲しかっただけなのに....
「そろそろシズク君を離してくれないかい
○○○○さん」
妙齢の男性が私を呼ぶ 私の名前は
そんな名前だったけ....
いつの間にか記憶が曖昧だ
「君の事はニュースでやっていたからね
なんとなく当たりを付けたんだと言っても
君の記憶はもうぼんやりとしているだろうけどね....」
『記憶....そうだ私はあいつに刺されたんだ
だから私』
私は愛される事ばかり欲しがって
人を本当の意味で愛していなかった
自分の容姿に甘えていた。
だから私は、あの子が羨ましかったのね....
「君は此処に居ない方が良い....」
『はい....』私は、今までの態度が自分でも
信じられ無い位 素直に妙齢の男性の言葉を受け入れた。
こうして私の魂は安らかに消えた。
あれ....私いつの間に眠ちゃったんだろう
シズクは、丸い目をぱちくりと瞬いた。
目を向けると皆の嬉しそうな顔があった。
(皆どうしたんだろう....何か良い事があったのかなあ....)
シズクは皆の嬉しそうな笑顔が見られて
自分も凄く嬉しくなった。